互いへの絶大な信頼を見せた二人(左から)國村隼、ナ・ホンジン監督

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 『チェイサー』などのナ・ホンジン監督が来日し、俳優の國村隼と共に24日に都内で行われた『哭声/コクソン』公開直前イベントに出席、リドリー・スコット監督の製作会社スコット・フリーからのハリウッドリメイクオファーについて語った。

 ハリウッドリメイクのオファーについて「連絡があったということは聞きました」と認めた監督は、リメイクするとしたらもう一度メガホンを取りたいか? という観客の質問に、「自分がリメイク版を演出するつもりはありません。でも、國村さんはこの映画にとって重要な方で、必ず必要になると思うので(リメイク版でも)おすすめしたいと思います」と回答。

 それを受けた國村が、「おすすめされても、監督がメガホンを取らないなら私もやることは多分ないんじゃないかな」と笑みをこぼして相思相愛ぶりをのぞかせると、監督は「では二人ともやらないことにしましょう」とおちゃめにコメントして、会場を沸かせた。

 國村のことを「先生」と呼んで尊敬する監督は、過酷な撮影が続いたことについて「本当に申し訳なかったと思います」と恐縮しつつ、「沢山のことを國村さんから学んで、驚き、感嘆するところが多かったです。撮影を通してさらに大好きになりました」と感謝。再び日本語で「すみません」と謝罪して、國村に頭を下げる一幕もあった。

 また、劇中で褌一丁になるシーンもあった國村が、脚本の段階でそのシーンは実は何も着ていない状態だったと明かし、最初はそのことに引っかかりもあったことを告白。しかし、「この作品の世界観はすごいな。この役を僕以外の人がやっているのは見たくない」という思いから出演に踏み切ったと、自身の役への思いを熱っぽく語った。

 第69回カンヌ国際映画祭でアウト・オブ・コンペティション部門に出品された本作は、ある田舎の村に一人のよそ者(國村)が出現したのを機に、村の平和が崩壊し、人々が混沌の中に突き落とされるさまを描き出す。「疑え。惑わされるな。」というキャッチコピー通り、観客までも混沌へと引き込む同作について「たった一つの解釈で定義する映画ではない」という監督は、「観客の皆さんがどんな解釈をしようが、すべての解釈が合っていると自分は思います。この映画は観客が自分で整理して完成させる、そういう映画であることを期待しています」と観客に呼びかけていた。(編集部・吉田唯)

映画『哭声/コクソン』は3月11日よりシネマート新宿ほかにて公開