焙煎からコーヒーをつくる工程を楽しめる「The Roast」

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 パナソニックは1月18日、新規事業として4月からスタートするIoT×調理家電を活用した食のサービスの第一弾として、自宅で本格焙煎を楽しめるコーヒーサービス事業「The Roast」を発表した。

 新規事業は「食材」「プロファイル(食材の産地や特色)」「専用機器・アプリ」をセットにしてユーザーに直接届けることで、自宅で本格的な食体験を提供する取り組みだ。

 「The Roast」は、スマートフォンと連携し、豆の特徴に合わせた温度・風量調整で本格的な焙煎ができる新開発の家庭用焙煎機「スマートコーヒー焙煎機」と、厳選した生豆の定期頒布(年間12回)、豆にあわせた焙煎プロファイルをセットにして提供する。

 「スマートコーヒー焙煎機」本体の価格は税別10万円。生豆パック(1種200g)の契約コース(1年)は、3種セット(5500円/月)、2種セット(3800円/月)から選択できる。なお、専用の生豆以外は使用できない。

 事業開発センターの岩井利明所長は、「パナソニックはこれまで調理家電の開発を通じて技術を培ってきた。また、それとは別に生産者の方との関係性も構築してきた」と、自社の強みを最大限に生かした新事業だと強調した。

 また、第一弾にコーヒーを選んだ理由について、「家庭用レギュラーコーヒーの販売は右肩上がりだが、焙煎というプロセスはまだあまり開拓されていない。こだわりのコーヒーを自宅で楽しみたいというニーズは高いので、サービスを受け入れてもらえる土壌はある」と説明した。

 今回のサービスの肝は、焙煎機本体ではなく、同時に提供する世界各国の生豆と、その豆を最高の状態で焙煎するために必要なプロファイルだ。

 生豆を提供するのは、明治時代からコーヒー豆の輸入事業を行っている石光商事。長年の生産国とのパートナーシップを生かし、季節ごとにさまざまな生豆を用意する。代表して登壇したコーヒー・飲料部門・ブラジルエリア担当の荒川正臣リーダーは「生産者の顔が見られることは、コーヒーがもたらす幸福をより豊かにしてくれる。今回のサービスは、その経験をユーザーにも疑似体験していただけるのでは」と、期待を語った。

 焙煎のプロファイルを作成するのは、2013年に「World Coffee Roasting Championship」で優勝した実績をもつ後藤直紀氏。現在は福岡県大野城市の「豆香洞コーヒー」でオーナーを務めている。

 後藤氏は「豆の香りは焙煎から時間が経過するとともに変化する。自宅で焙煎すれば、バリエーション豊かなコーヒーを味わうことができる」と、自宅焙煎のメリットを説明。発表会では、焙煎して3か月経った劣化豆と焙煎直後の新鮮豆の香りを比べることができたが、同じコーヒー豆とは思えないくらいに風味の強弱・酸味に差が出ていた。

 当初はパナソニックの直販サイト「Panasonic Store」限定で販売。「新しいサービスゆえにユーザーに受け入れられるか見極めたい」(岩井所長)というのが理由だ。

 今回発表したコーヒーサービス事業を皮切りに、パナソニックは同様の食のサービスを展開する予定だ。第二弾、第三弾の詳細はまだ公表していないが、岩井所長は「和食でなにかやってみたい」と次の挑戦に意欲をみせた。(BCN・大蔵 大輔)