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●シャオミが披露したもの
「中国のジョブズ」との触れ込みで報じられ、日本でも知名度を上げた中国シャオミ。高品質のスマホを格安でネット販売し、販売台数シェアで中国1位、世界3位に躍り出たこともあったが、現在ではファーウェイや新興メーカーを前に苦戦している。そのシャオミが、初めてCESに出展した狙いはどこにあるのだろうか。

○スマホからIoTへ拡大するシャオミ

中国市場におけるスマホ販売で一躍有名になったシャオミだが、現在ではスマートホームなどIoT分野にも手を広げ、中国市場以外にもグローバルに展開している。その象徴が、2013年にグーグルから移籍したバイスプレジデントのヒューゴ・バラ氏だ。ラスベガスのCESでもステージに登壇し、米国市場に向けてシャオミの取り組みをアピールした。

CES 2017では新製品としてスマートTVの「Mi TV 4」、スマートフォン「Mi MIX」の新色などを発表したが、いずれも中国市場向けになる。中国以外には東南アジアなどに展開しており、米国でもいくつかの製品をオンラインで購入できるものの、中心的な市場は依然として中国だ。

初出展となるCESのブースには最新スマホを始め、スマートTVやノートPC、さらにはドローンや空気清浄機、スマート自転車といったデバイスが並んだ。

個々の製品もユニークな機能を搭載する。三洋電機出身の技術者が手がけたことで話題になったスマート炊飯器の場合、お米のバーコードを読み取って種類を判別し、最適な炊き方を選べるという。

●インキュベーター事業が次のポイントに
○ベンチャーと協業するインキュベーター事業を展開

こうした製品の中にはハードウェアベンチャーと協業したものが含まれており、その数は77社に上るという。それらをシャオミブランドの製品に仕上げ、グローバルに展開していくのがシャオミのインキュベーター事業だ。

面白いのは、シャオミはこれらのデバイスを闇雲に出しているのではなく、共通した世界観として「Mi Ecosystem」というエコシステムを提唱している点だ。具体的には、「Mi Home」というスマホ用のアプリを通して複数のデバイスを管理できる仕組みになっている。

最近、IoTやスマートホームの製品は続々と登場している。だが各メーカーが独自にアプリを作り込んでしまうと、家庭内でそれぞれの機器をコントロールするのに別のアプリを使うことになってしまう。これではいかにも面倒だ。

そこでスマートホームではアップルの「HomeKit」ようなプラットフォームが重要になってくる。シャオミの場合、「Mi Home」アプリに接続できることがそれに相当する。このプラットフォーム中心の製品展開は日本企業が苦手とされる領域であり、学ぶべき点は多いのではないだろうか。

シャオミはまだ日本上陸は果たしておらず、海外展開も破竹の勢いというわけではない。グローバル戦略を担当するPRマネージャーは、「シャオミはまだまだ小さなチームであり、海外市場は優先順位を付けながら進出していく。日本市場は魅力的だが、極端にハイエンドが好まれる市場でもあり、容易ではない」と見る。だがスマホメーカーの枠を超えて、中国のハードウェアベンチャーをひとつのエコシステムに取り込んでいくという事業戦略には注目したい。

(山口健太)