マレーシア政府が、北朝鮮国営の高麗航空に対し、領空通過と空港の利用を禁止する措置を取っていたことが明らかになった。去年3月の国連安保理で対北朝鮮制裁決議2270号が採択されて以降、同社旅客機の運航を禁止、制限する措置を取ったのは同国で4カ国目となる。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

同国政府は、最近公開された国連安保理制裁決議2270号に関する報告書で、マレーシア航空委員会法を根拠に「航空関連機関を通じ、北朝鮮国籍機の離着陸、マレーシアの領空通過を拒否することを伝えた」と明らかにした。

高麗航空は2011年から3年間、平壌とクアラルンプールを結ぶ路線を週1便開設し、定期路線の廃止後も不定期で運航を続けていたが、今回の措置で運航ができなくなる。

昨年9月と10月には、パキスタンとクウェートも、高麗航空の飛行を制限する措置を取った。

また、高麗航空は、昨年4月末、平壌バンコク線の運航を中止したが、これにはタイ政府からの圧力があったと伝えられている。

高麗航空は、国際社会の制裁に加え、乗客の減少、機体の損傷などで運航規模の縮小を余儀なくされているようだ。

3月末までの冬ダイヤを見ると、平壌と北京、瀋陽、上海、ウラジオストクを結ぶ便が、それぞれ週2便運航されているに過ぎない。4月からの夏ダイヤでは便数を多少回復させると思われるが、かつてチェコのプラハやスイスのチューリッヒと平壌を結ぶ遠距離路線を運航するなど、世界中を飛び回っていたころの面影はもはやない。

一方、報告書は、マレーシアに滞在する北朝鮮出身の労働者についても言及している。同国では現在、80人の北朝鮮国籍者が建設、鉱業の分野で働いており、いずれも労働許可証を所有する合法的な滞在者だ。

しかし、マレーシア政府は彼らの活動を監視しており、もし国連安保理制裁決議に違反する行為が見つかれば必要な措置を取るとしている。

北朝鮮当局は、制裁の影響で不足する外貨を稼ぎ出すために、自国の労働者を海外の建設現場などに派遣しているが、高麗航空は彼らを送り届ける役割を果たしてきた。