<タイ、韓国、香港、中国――目が離せない2017年の重要選挙> (写真:行政長官候補らの肖像を掲げる香港の民主化デモ)

 昨年のアジアでは劇的な変化をもたらす選挙や投票があった。台湾は1月に初の女性総統を、軍政を終わらせたミャンマー(ビルマ)は3月に54年ぶりの文民大統領を選出。5月のフィリピン大統領選では、物議を醸す言動で人気のロドリゴ・ドゥテルテが勝利を収めた。

 今年も重要な選挙は続く。その4カ国を見てみると......。

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■今年末 タイ総選挙

 タイでは14年のクーデターでインラック首相が追放されて以来、軍が実権を握っている。その軍事政権が起草した新憲法案が国民投票で承認されたのが昨年8月のこと。これを受けて軍政は、民政復帰に向けた総選挙を今年末に行うと発表した。

 憲法案は軍の影響力をさらに強化する内容だ。軍政が実質的に上院議員を任命する権限を持ち、首相は下院議員でなければならないという旧憲法の規定を削除。非民主的という批判が出ている。

 昨年11月にはプラウィット副首相が、選挙が国に損害をもたらすなら実施しないとも発言。予定どおりに実施するという政府報道官の声も報じられているが、何とも先行きは不安だ。

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■年内 韓国大統領選

 昨年12月、議会が朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案を可決。憲法裁判所がその可否を審理し、遅くとも6月までに結論を出す。弾劾が決まれば、60日以内に大統領選が行われる。

 たとえ罷免されなくても、朴は憲法の規定上再出馬できない。後釜を狙う候補は3人で、最も支持率が高いのは12年の大統領選で朴に負けた文在寅(ムン・ジェイン)だ。潘基文(バン・キムン)前国連事務総長も事実上、出馬を宣言した。そして「韓国のトランプ」と支持者に呼ばれる李在明(イ・ジェミョン)。主張は米民主党のバーニー・サンダースに近いが、支持率の急上昇と物議を醸す発言はトランプ米大統領の選挙戦と似ている。

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ミレン・ギッダ