19日、韓国・朝鮮日報は、学生らによる起業を促すとの目的で韓国の大学や地方自治体が各地で開催している「大学生創業大会」の残念な内部事情を伝えた。写真はソウルの高麗大学。

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2017年1月19日、韓国・朝鮮日報は、学生らによる起業を促すとの目的で韓国の大学や地方自治体が各地で開催している「大学生創業大会」の残念な内部事情を伝えた。

自らのアイデアを生かし起業しようと、チームで昨年ある大会に参加したソウル大工学部の大学院生チョンさん(26)だが、入賞ならず結局は起業を断念した。すでに他の大会で何度も賞を取り起業の段階まで進んでいるチームが素知らぬ顔で「新たな挑戦者」として大会に参加しており、斬新なアイデアをもって大会に臨んだチョンさんチームも完成度の面でかなわなかったという。チョンさんは「新たな起業という特性上、いろいろなアイデアに等しくチャンスを与えてこそそのうちの一つが大成功を収められるのに、先に起業を進める団体ばかりが賞金を独占しているからアイデアの多様性がなくなっている」と訴える。

こうした「賞金ハンター」の存在は大会を主催する大学も把握しているが、主催側が授賞情報を共有する動きはなく、重複参加を防止する仕組みもない。一度賞を取ったチームには受賞のためのノウハウが蓄積されるため、いざ大会となるとアイデアやプレゼンテーションで初心者を圧倒してしまうのが実情なのだ。

また大学側は、「創造経済」との経済政策をうたう現朴槿恵(パク・クネ)政権発足以降、若者の起業アイデアを公募する大会が雨後のたけのこのごとく乱立していると指摘する。ある学生によると、参加者数を増やすため参加者全員に賞を与える大会も多く、起業する気もないのにあちこち参加する学生もいるそうだ。こうした状況に失望し、起業への意欲が変わってしまったというソウル大経営学科のキムさん(29)は、「本当に起業しようとする若者が支援を受けられるよう、“玉石”を区別するべきだ」と指摘した。

これに韓国のネットユーザーからは、「これこそ真の韓国の姿だ!」「韓国ではよくあること。あぶく銭は悪さをしてでも先に取った者の手に入る」「道徳性の問題だな」「社会が腐ってしまった」「若者までこれじゃ、わが国は変われないな」など、半ばあきらめたようなコメントが数多く寄せられている。

また、「内容も見ないでプレゼンの完成度ばかり重視するから」「賞金で支援するんじゃなくて、起業に必要な執務室や人材を提供すれば解決することだ」「はっきり言って、その賞金額で起業なんてそもそも無理だから、起業に懸ける人がいないんだよ」などの指摘の声もあった。(翻訳・編集/吉金)