「早漏はEDの前兆とも言えます」
 こう語るのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。

 EDと早漏――全く正反対の現象ではないだろうか。
 「確かにEDとは、早漏どころか中折れや挿入すらも不可能な状態を指します。どちらかというと遅漏のイメージですが、実はそうとも言えない理由があるんです」

 ここでポイントとなるのが、早漏男性のタイプだ。
 「早漏はそもそも経験不足から起こるのです。私のデータでは、早漏男性は初体験も遅い。童貞を捨てたのが平均22歳で、その後も経験が乏しく、経験人数も5人未満。このタイプは早漏、もしくは重度な遅漏になりやすいのです」

 また、オナニーをし始めた年齢も遅めで、頻度も一般男性の平均に比べると少ないという。
 「刺激に慣れていないことが理由なのですが、それ以外にもう一つ、挿入後のピストン運動が速すぎるのです。焦りなのか、気持ちよすぎてつい速くなってしまうのか、どちらにしても一気にピストンをするので、早くイッてしまう。もう少し余裕を持てれば長持ちすると思うのですが…」
 これもまた、女性慣れしていない悲しさか。

 さて、この話から言えるのが、ED気味の男性もまた、腰の動きが自然と速くなるということだ。
 「勃起しないかもしれない。もしくは途中でダメになるかもしれない。そんな不安を抱えていると、勃起を維持しようとピストン運動を速めるんです。それによって、早漏となってしまう」

 それだけではない。EDは男性ホルモンの減少によっても起こるのだが、
 「それに伴って、筋力も低下してきます。力が弱くなれば、正常位で自分の体を支えていることも辛くなってくるんです。その結果、やはり早く終わらせようとピストン運動が速くなる」

 つまり、直接的な要因ではなくても、「最近、俺は早漏気味」と感じたら、それはEDの前兆と言えるのだ。
 「特に今まで早漏でなかった男性が長持ちしなくなったら、その可能性が高いでしょう。もちろん、そのまま放置してはいけません。なんとなく自分の中で射精が早くなったと感じたら、早めにED治療薬などを服用することで、勃起力と自信を取り戻すべきです。そのうえで筋トレを始めて、男性ホルモンの減少を防ぎましょう」

 また、たとえ中折れの不安はあっても、自分勝手に腰を振るのはよろしくない。
 「女性からは乱暴なセックスをする男性と思われて、次第に避けられます。男性のEDで一番多いのは、セックス相手がいなくなり、そういう機会が少なくなってしまうこと。要は、ペニスを使わない期間が長くなるほど、ペニスも衰えてEDになりやすいのです」
 なんとも恐ろしい負の連鎖と言えるが、早いうちに対処してしまえば問題はないはずだ。

 ちなみに早漏の定義だが、
 「医学的には、挿入後1分間持てば早漏ではありません。ただ、現実の女性は、大体5分以上は挿れてもらいたいと考えているんですよね」

 何はともあれ、早漏っぽくなったら要注意ですぞ。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。