まるで現行マツダ・デミオに引っ張られるように、トヨタ・ヴィッツなど国産コンパクトカーの走りは、以前の「安かろう悪かろう」から脱却し、走りや乗り味の面で我慢を強いられることはほとんどなくなっているように感じます。

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スズキは現行デミオが出る前からスイフトやスプラッシュなどのコンパクトカーのキーワードとして「欧州で鍛え上げた走り」を掲げ、ファンからその走りが評価されてきました。

一方で国産コンパクトカーを買う層は、走りよりもまずは予算や燃費などを重視する人が多そう。そこで新型スイフトには27.4km/Lのマイルドハイブリッド(1.2L)を初めて設定し、さらに、1.2L NAのガソリンエンジン車は130万円台中盤から展開することで値頃感を抱かせるラインナップとなっています。

新型スイフトは、1.2LのNAエンジン(5MT/CVT)、1.2Lを積むマイルドハイブリッド(CVT)、1.0Lの直噴ターボ(6AT)という3つのパワートレーンを用意しています。

パワートレーンを問わず、共通する長所は走りのよさ。「HEARTECT(ハーテクト)」と呼ぶBセグメントフォームを採用し、車両全体で120kgもの軽量化を果たしているのが最大の注目点。

840kg〜970kgという新型スイフトの車両重量は、ヴィッツの970kg〜1110kg、デミオの1010kg〜1130kgと比べても驚異的といえるほどの軽さで、軽自動車並に収まっています。

これだけ軽いと、1.2LのNAエンジンでもトルク感、加速フィールともに不足は抱かせず、キビキビした走りを容易に引き出せます。CVTとの組み合わせになるマイルドハイブリッド仕様も重さを感じさせずスムーズな走りも大いに魅力。

また、バレーノにも搭載されている1.0Lの直列3気筒直噴ターボは、新型スイフトの「RSt」では102ps/150Nmというスペック。バレーノはプレミアムガソリンを指定し、111ps/160Nmという数値を得ていますが、スイフトではレギュラーガソリン化。パワー/トルクのダウンがあっても多くの方にとっては朗報といえそうです。

6ATを組み合わせる「RSt」は、930kg(バレーノは950kg)という軽さもあって、街中や速度域の高い一般道でも容易に流れをリードできますし、エンジンレスポンスの応答遅れを感じさせるCVT特有のラバーバンドフィールもなく上質な変速感を味わえます。

さらに、新型スイフトに共通する美点として、ボディ剛性感の高さ、しっかりした走りがシーンを問わず味わえる点が挙げられます。試乗中、高速道路で強烈な横風を食らうことがありましたが、直進安定性が損なわれることはありませんでした。なお、フットワークについては街中を中心とした試乗なので実力の一端を垣間見た程度ですが、一体感のある走りからも高いレベルであることはうかがい知れます。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

【スズキ新型スイフト試乗】国産コンパクトトップレベルの一体感ある走り!!(http://clicccar.com/2017/01/24/439888/)