狩野英孝が17歳と知ってても淫行とは限らない【誤解だらけの狩野報道】

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“淫行疑惑”で無期限謹慎を発表したお笑いタレント・狩野英孝(34歳)。17歳の元・地下アイドル「Mさん」との関係を「フライデー」(1月20日発売)にスッパ抜かれ、21日には記者会見で「22歳だと聞いていた」「恋愛感情はあった」と涙ぐみました。

 でもこのニュースについての報道や世間の反応は、かなり誤解だらけ。「東京都青少年健全育成条例では、18歳未満の者との性交を禁じている」と報じたメディアがいくつもありましたが、別に禁じられてはいません。

 あくまで「みだらな性交又は性交類似行為」が禁じられているだけ(18条-6)。

 だから、もし狩野が「18歳未満」だと知っていたとしても、イコール「淫行で条例違反」ではないわけです。

 では、「みだらな」って何?『レンアイ、基本のキ』(岩波ジュニア新書)などの著書がある、弁護士の打越さく良(うちこし・さくら)さんに聞いてみました。

◆肉体関係そのものが違法なのは、13歳未満!

 肉体関係そのものが違法なのは、刑法ではなんと「13歳未満」(※)。同意があろうが結婚前提だろうが、13歳未満の少女と肉体関係を持てば「強姦罪」になってしまいます。

 逆に言えば、完全な自由恋愛なら13歳以上と肉体関係を持ってもOKなはずですよね?

「完全な自由恋愛というのは、フィクションの世界ではありえても、現実にはグレーゾーンが多い。たとえば、未成年が自分では同意したつもりでも、あとでハタと我に帰れば性的に搾取されていたと気づく、ということもありえます。
そこで、『子ども(18歳未満)は判断能力が十分でないから、保護してあげなくては』という前提に立って、青少年保護育成条例が作られたのです」(打越弁護士)

 つまり、真剣交際なら18歳未満でもセーフだけど、「みだらな性交」(判例では「自己の性欲を満足するための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」)なら淫行で条例違反ということですね。

 その線引きはどこにある?

「線引きはむずかしいのです。本人が思う“真摯な交際”と、社会通念上の“真摯な交際”は違うので、ケースごとに判断するしかないですね。その“真摯さ”を国家が判断するというのもブキミな話ではありますが」(同)

 狩野の例でいえば、Mさんはラブラブ写真をツイッターに連投したりしていて、“自分の意志で恋愛していた”つもりだったはず。その写真を知人「A氏」が『フライデー』に持ち込み、世間も「狩野に遊ばれただけだよ」と騒いでいるのが、いまの状況といえそうです。

◆「結婚前提じゃなければアウト」というのも間違い

 今回のニュースに対して、「結婚するつもりなら真剣、そうじゃなきゃ淫行」と思っているようなコメントも多くありました。これも誤解で、「結婚前提かどうかは関係ない」と、打越弁護士。

「なにが淫行か」について、1985年の最高裁判決が一応の基準とされるそうです。判決文を一部引用すると…。

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●「結婚を前提としない性行為はすべて淫行」とするのは広すぎる

●「淫行」とは、
・未成年の未熟さにつけこんで、「誘惑し、威迫し、欺罔しまたは困惑させる等の不当な手段を用いて行う性行為」
・「単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない形態の性行為」
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 ダマしたり、お金で買ったり、あきらかに性欲のハケ口にしただけ…というような場合に限定して、「淫行」と判断されるわけです。

 狩野のケースでいえば「6股疑惑もあったぐらいだから、性欲のハケ口にしただけだろう」と世間は見るかもしれないですが、これも憶測にすぎないですよね。

 淫行処罰規定ができた当初、「恋愛の自由をしばるものだ」という批判もかなりあったのです。が、今回の狩野報道で「あれって自由恋愛じゃないの?」という声が出てこないのは、ちょっと気味が悪い。まあ、今までの狩野の素行が悪すぎたせいかもしれませんが…。

(※)刑法176条=13歳未満の男女とわいせつな行為をしたら「強制わいせつ」。刑法177条=13歳未満の女子を姦淫したら「強姦」

<TEXT/女子SPA!編集部>