「タラレバ」ドラマ版、30代女性の焦り、本音がちと足りない【水曜ドラマ】

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【スナイパー小林の2017冬ドラマ評 水曜編】

 2017年の冬ドラマが始まった。週の真ん中には、恋愛の教則が詰まった2本を放送中。人肌恋しいこの季節、恋愛の濃度を高めたいならぜひご視聴を。

◆女子の「共感!」が詰まっているけれど…

●東京タラレバ娘
日本テレビ 水曜22時〜
出演:吉高由里子、榮倉奈々、大島優子

 売れない脚本家・鎌田倫子(吉高由里子)、ネイリスト・山川香(榮倉奈々)、実家の居酒屋を手伝う鳥居小雪(大島優子)の3人は高校時代からの友人。女30歳の現実に気づいた彼女たちが、東京オリンピックまでにはパートナーを見つけようと恋愛に喝を入れるも、なかなかうまくいかず……。

 ネットではセリフが刺さると話題になっていたけど、もうひと息、30代の女性としての焦り、本音、現実感をぶっちゃけたほうがおもしろいのかなという感じ……。SNSでよく見る着飾った女の一部分しか見えてこないというか。

 でも何がいいかと言えば吉高ちゃん!「花子とアン(NHK総合/2014)」以来の主演だし、存在だけで色っぽい実年齢28歳の女優さんの希少価値は高い。今後の展開で、もっと女の毒をさらけ出してくれることに期待して一票を投じておく。

◆明るい性生活をどうぞ

●ラブホの上野さん
フジテレビ 水曜26時25分〜
出演:本郷奏多

 SNSで話題の「上野のラブホスタッフ」がつぶやく恋愛指南ネタを漫画化したものが、ドラマ化。アルバイトの童貞大学生・一条昇(柾木玲弥)たちを相手に、ラブホのスタッフ上野さん(本郷奏多)が恋愛テクニックを伝授していく。

 いやー、笑った。何に笑ったかと言えば、執事並みに丁寧な言葉使いをする上野さんが本郷奏多くんというハマりキャスティングであったこと。彼が醸し出す“絶妙な嫌味感”がなんだかクセになるのだ。

 上野さんは、ラブホのアルバイトを「愛のひとときを演出する仕事」と表現。ラブホという建物に興味を持った小学生に対しては、「お待ちください、勇者さま! この先はみなさまのレベルでは危険です!」「このお城、お姫様と一緒でなければ入ることはできません。戦うことになることになるラスボスもお姫様なのです……」と真剣に演説する。

 もともと潔癖性であったり、「キスはお互いのバクテリアを交換する行為」と断言したり、ご本人そのものもイケメンなのにかなりの変わり者。そのイメージと役がリンクしているんだな。

 どうしても淫靡なイメージが払しょくできないラブホテルそしてセックス。それを見事に明るいテーマパークに変身させてくれたのが「ラブホの上野さん」なのだ。見終わったらドラマの舞台「五反田キングダム」に行きたくなりましたが、何か。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k