漢方薬を飲むvs酒を飲む「金持ちじいさん」の食事

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同じように働いていても、老後の生活には驚くほど差が出てしまう。そこで、役員経験のある「金持ちじいさん」1000人を対象に、生活習慣調査を実施。さらに、「金持ちじいさん」をよく知るお三方にその分かれ目について語ってもらった。

※調査期間:4月20日〜5月10日 調査対象:元役員、あるいは事業責任者等の経験を有する60歳以上の男女 調査方法:インターネット調査(サーキュレーション)

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金持ちじいさんは……[A]漢方薬を飲む[B]酒を飲む

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■塩分とカロリーは敵だが酒は飲む

今回のテーマは「食事」だ。食はすべての基本だとも言われるが、果たして。

「食は健康にもつながるので、こだわりを持つ人が多い印象です。バランスの取れた食生活のために朝食をとるのはもちろんのこと、オーガニック食材でつくったグリーンシェイクを飲んだり、トマトジュースに黒酢とエクストラバージンオリーブオイルを入れたオリジナルドリンクを飲んだり。『朝食をとらない』という人も、ダイエットのためにブランチをとって一食分のカロリーをカットするなど、何かしら考えがあってのことのようです」と金持ちじいさんの食事事情を教えてくれたのはシニア向け人材マッチングサービスを行うサーキュレーションの代表取締役・久保田雅俊氏だ。外食が増えると摂取カロリーが増えたり、塩分過多になったりするため、健康を気遣って減らす努力をしている人も多いという。

しかし、特にお酒の入る食事には、コミュニケーションを円滑にする役目もある。そういう場に積極的に参加するのも「金持ちじいさん」の特徴だ。

「彼らは常に新しい人脈を構築することを考えているので、健康オタクになって外食を一切カットするようなアンバランスなことはしません。どちらかといえば一緒に働く若い人たちを誘って、お金がないと行けないようないわゆる『いい店』を経験させたり、若い人たちと意見交換することで、若い世代への理解を深めたり。食事やお酒の場を有効に活用しています。私もよく誘っていただくのですが、彼らはとにかく酒が強い(笑)。バブルを経験した人は違うなと思います。ついていくのが精一杯ですよ」(久保田氏)

井出進一税理士事務所代表の井出進一氏も、食事をコミュニケーションの一環として捉える「金持ちじいさん」について語る。「彼らには人を喜ばせるセンスがあるんです。さらに、現役時代にいろいろな経験を積んでいるから引き出しも多い。相手が喜びそうな食事をセッティングしたり、顧客が喜ぶ手土産を持って行ったり、出張したら必ず部下に土産を買って帰ったり。おいしいものが人と人との関係性を良好にすることを知っているんでしょうね。ある経営者は、顧客訪問時に地元の野菜を手土産にすることで、ファンを獲得していました。結果的に商談も成立したようです」

やはり食は人と人とをつなぐツールとして非常に有効なのだ。

■食事はぜいたくに、車と保険は切りつめるが正解

元銀行員として多くの経営者を見てきた菅井敏之氏は、節約の観点から見て「食費は削るべからず」とアドバイスする。

「老後のための準備として、お金を貯めることは必要ですし、そのための節約も素晴らしい。ですが、食費を含む細かい節約はストレスのほうが大きいので、家計を見直すなら住宅費、保険料、自動車費、教育費という四大固定費が先です。見栄だけで車を持っているならそれを手放し、かわりに昼はいい店で食事をして、夕方までもりもり働く。どちらが幸せかを考えて、無駄なストレスは極力カットしましょう。それでこそ『金持ちじいさん』なのです」(菅井氏)

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久保田雅俊(くぼた・まさとし)
サーキュレーション代表取締役。大企業で役員経験のあるシニアを中心にネットワークを構築し、企業の課題を解決する人材マッチングサービスを行う。これまでに面談してきたシニアは3000人以上。
 
菅井敏之(すがい・としゆき)
元メガバンク支店長。退職後、不動産投資に力を入れ、年間7000万円の不動産収入がある。初の著書『お金が貯まるのは、どっち!?』は45万部のベストセラーに。最新刊『金の卵を産むニワトリを持ちなさい』発売中。
 
井出進一(いで・しんいち)
井出進一税理士事務所代表。中学卒業と同時に海上自衛隊に入隊。20代の頃自衛隊を辞め、バンド活動、コンビニ店員を経て税理士へと転身した異例の経歴の持ち主。FP 2級資格あり。

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(大高志帆=文 加藤ゆき=撮影)