VRでアートの新しい鑑賞体験、新宿「ニュウマン ラボ」で - 沢渡朔、野村佐紀子の作品を展示

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VRを使った新しいアート鑑賞体験を提案する企画展示 Photo VR 沢渡朔「水辺」野村佐紀子「0283」が、2017年1月24日(火)から29日(日)まで、東京・新宿ニュウマン(NEWoMan) 1階にある「ニュウマン ラボ(NEWoMan lab.)」で開催される。

撮影・鑑賞方法の進歩と共に、芸術領域を広げてきた“写真”。昨今では、デジタル技術を用いて簡単に360度撮影ができるカメラも登場し、よりその幅を拡張している。そして、まだアート界では珍しい“VR”を使った鑑賞体験も生まれ、表現の可能性は広がるばかりだ。

企画展示 Photo VRでは、VRの特性である視覚による没入感を最大限に生かした展示を行う。つまり、これまでの鑑賞方法ではできなかった「写真作品の世界を追体験」することができるようになるのだ。

作品は、第一線で活躍する写真家、沢渡朔と野村佐紀子が、VRに適した新たな写真表現に挑んだ新作を用意。沢渡は一般的な撮影方法とは違う、撮影者自身も含めた空間全体が撮影される360度カメラの特性を生かした写真を展示。VRのヘッドセットを被ると目の前には暗室が広がり、「Rain」シリーズを捉え直した作品を観ることができる。

野村は写真に鑑賞者が入り込むVRの特性に着目し、日本およびタイにて撮影した283枚の写真の中から選出した作品を展示。新宿にいながら、まるで別の世界を生きているような、不思議な体験になるだろう。

また、本展示のVRは専用の機材を必要とせず、Web再生が可能であるため、各自のスマートフォンで鑑賞ができるのも特徴。実際にヘッドセットのスマホに映し出されている写真は左右2つに分割され、それぞれが少しずれた歪んだ写真。右目と左目では少し異なる画面を見ることになる。その画像をヘッドセットを付けて眺めると、奥行のある世界観が広がり、VRならではの立体感を感じることができる。天井や背後など、自分の頭を動かした先に、写真のヴァーチャルな景色が広がる感覚は、ぜひ一度体感してほしい。

テクノロジーの進歩により、アート鑑賞もまた身近なものになってきた。印刷技術や、産業革命が新しい芸術をもたらしたように、私たちの生活の周りでは、より気軽に芸術と触れ合える環境が今後も生まれていくに違いない。

【概要】
Photo VR 沢渡朔「水辺」 野村佐紀子「0283」
日程:2017年1月24日(火)〜29日(日) 11:00〜22:00
会場:ニュウマン 1階 ニュウマン ラボ
住所:東京都新宿区新宿4-1-6
参加アーティスト:沢渡朔、野村佐紀子
入場:無料
協力:T/H(空間デザイン)、artdish g、Fm(ギャラリー)、3D Stylee(VR システム)

【アーティスト】
■沢渡朔(Sasatari Hajime)
1940年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科在学中より写真雑誌等での作品発表を始め、日本デザインセンター勤務を経て、1966年よりフリーの写真家として活動、現在に至る。1973年日本写真協会年度賞、1979年講談社出版文化賞写真賞受賞。

■野村佐紀子(Nomura Sakiko)
1967年山口県下関市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業後、91年より荒木経惟に師事。93年初の個展「針のない時計」を開催以降、東京を中心にヨーロッパ、アジアでも精力的に個展・グループ展を行い高い評価を得ている。13年さがみはら写真新人奨励賞受賞。


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