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理化学研究所(理研)は、フェムト秒ベッセルビームを用いて、高品質かつ高アスペクト比のシリコン貫通ビア(TSV)を作製する技術を開発したと発表した。

同成果は、理研 光量子工学研究領域 理研-SIOM連携ユニットの杉岡幸次ユニットリーダー、中国科学院(SIOM) 上海光学精密機械研究所のFei He 准教授、同 Ya Cheng 教授らによるもの。詳細は、英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。

TSVの作製は現状、穴径50μm以下、アスペクト比10程度が要求されており、将来的には穴径10μm以下、アスペクト比5以上が要求されるといわれている。しかし、レーザーから発振されるガウスビームをレンズで集光する従来のレーザー加工法では、集光したレーザー光の焦点深度の制約により、穴径が小さくなるほど深穴加工が難しくなるなどの課題があった。

研究グループでは、今回、フェムト秒レーザーをベッセルビームにすることで、TSVの作製に挑戦。その結果、光学ガラス材料を基板とした2段階構造の位相板をアキシコンレンズ(円錐形状のレンズ)と組み合わせることで、厚さ100μmのSi基板にて、回折リング損傷のない穴径〜7μm、アスペクト比〜15の高密度2次元アレイを作製することに成功したという。

今回の成果について研究グループでは、TSV以外の深穴加工や切断加工などにも応用が可能な技術であると説明しているほか、細胞レベルでタンパク質などの分布・動態を捉えるバイオイメージングや、レーザー光によって接触せずに微小物体を捕捉・操作するレーザートラッピングによる多重粒子捕捉など、広範な分野への応用も期待できるとコメントしている。

(小林行雄)