近年、バッテリーの性能向上や充電時間短縮化が進み、EV普及拡大の足かせとなっていた課題が克服されつつあることから、欧米の自動車各社をはじめ、これまでHVやPHV、FCVを主軸にしてきたトヨタ自動車もEV開発を本格化させています。

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そうしたなか、重工業大手のIHIが充電作業の簡便化を目的に、自宅などで駐車中に自動的に充電が可能な「非接触給電システム」の実用化を急いでいるようです。

これまでもお伝えしてきたとおり、 同システムは「ワイヤレス充電」とも呼ばれており、1880年にニコラ・テスラが発見した電磁誘導の原理がベースになっています。

その代表的なシステムには、2006年に米ベンチャー企業「ワイトリシティ社」が開発した「磁界共鳴方式」と、日本の「ビー・アンド・プラス社」が開発した「電磁誘導方式」がの2つが挙げられます。

現在、実用化研究の主流となっているのは「磁界共鳴方式」で、小型機器の充電に用いられている「電磁誘導」方式に比べ、電力の伝送距離が長く、送電効率が良い等の優位点があります。

IHIは2011年にワイトリシティ社と「磁界共鳴方式」の実用化に向けた共同研究をスタートさせており、駐車場に設置した送電システム上に車両の受電装置が近付くと、回路に電流が流れて自動的に充電が開始されるシステムを開発。

翌年の2012年には、三井ホームと戸建住宅でのEV, PHVの非接触給電の研究を始めており、昨年3月には共同で実証実検をスタートさせるなど、2019年頃の実用化を目指している模様。

15〜20cmの距離をおいて設置された2つのコイルを通じて最大3.3kWの送電が可能で、20cm程度ずれて車を停めても効率が大きく低下せず、約8時間でEVを満充電にすることができるといいます。

住宅の屋根やカーポート上に設置したソーラーパネルから得られた自然エネルギー由来の電力を活用するだけでなく、電力を充電ケーブル無しでEVやPHVに取り込める、環境にもユーザーにもうれしい時代の到来が間近になってきたようです。

Avanti Yasunori・画像:IHI)

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