米アマゾン・ドットコムの「Dash Button(ダッシュボタン)」をご存じだろうか?

 これは消しゴムほどの大きさのWi-Fi搭載機器で、種類がいくつもあり、それぞれに異なる商品ブランドがプリントしてある。

 これを家の壁や家電などに貼り付けたり吊り下げたりしておき、本体前面にあるボタンを押すと、あらかじめ設定した商品が急ぎ便サービスで自宅に届く。

 アマゾンはこのボタン端末を、有料プログラム「Prime」の会員を対象に一昨年の3月末から提供しているが、日本でも昨年12月に販売が始まっている。

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ネットでダッシュボタンを実現

 そしてアマゾンはこのほど米国で、このダッシュボタンのネット版(同社は“仮想ダッシュボタン”と呼んでいる)を始めた。

 米国のPrime会員はすでにアマゾンのウェブサイトやモバイルアプリ上に設けられたダッシュボタン管理セクション「Your Dash Buttons」にアクセスできる。

 このセクションでは、Prime会員が過去に購入したり、頻繁に購入したりした商品の情報に基づき、仮想ダッシュボタンが複数表示されている。会員はその中から好みのものを選び、ボタンを押すことで前述の物理的なダッシュボタンと同様に商品の注文が行える。

 アマゾンによると、仮想ダッシュボタンは、Your Dash Buttonsセクションのほか、ウェブサイトやモバイルアプリのトップページにも表示される。新たな仮想ダッシュボタンを追加する場合は、商品の詳細ページにある「Add to your Dash Buttons」を押せばよい。

 また仮想ダッシュボタンは、Your Dash Buttonsセクションで並び替えや削除が自由に行える。このほか、左側のロゴ部分をクリックすると商品の詳細情報などが表示したり、顧客が自分の好みのラベルを付けたりすることもできる。

Prime適用商品が対象、商品数は数百万点に

 米シーネットの記事によると、米国ではすでに200種以上の物理ダッシュボタンが用意されており、まもなく新たに50種以上が加わるもようだ(日本では現在のところ40種程度にとどまっている)。

 しかし、アマゾンの説明によると、仮想ダッシュボタンは、Prime配送が適用される商品で利用できるため、その数はぐっと増え、購入できる商品数は合計数百万点に上るという。

衝動買いが増える?

 この話題について報じている米テックタイムズの記事は、「この仮想ダッシュボタンは、Prime会員とアマゾンの双方にとってメリットがあるのではないか」と伝えている。

 仮想ダッシュボタンがトップ画面の中央部分に表示されるため、Prime会員は日用品など自分がいつも購入している商品をアマゾンのサイトで検索することなく注文できるようになる。一方アマゾンは顧客に好みの商品に注目してもらえるため、販売拡大につながるという。

 ただいずれにせよ、顧客の衝動買いはこれまで以上に増えるだろうとも、テックタイムズは伝えている。今後顧客はアマゾンのトップ画面で、常に自分の好みのブランドの仮想ダッシュボタンを見ることになる。

 こうした状況では、今すぐ必要でないものまでも買ってしまうのではないかと、テックタイムズは伝えている。 

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筆者:小久保 重信