加入濃厚と報じられているガラタサライのポドルスキ。実現すれば大きな戦力となるのは間違いない。(C) Getty Images

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 1月20日のチーム始動日。いぶきの森球技場(練習場)には例年以上に多くのメディアが詰め掛けた。少なく見積もっても関係者は50人以上。元日本代表やJ1で実績を残す選手を軸にした大型補強に加え、元ドイツ代表ポドルスキ獲得が濃厚という一部の報道が記者たちに足を運ばせたのかもしれない。
 
 初練習後に行なわれた新加入発表記者会見では、柏時代に数々の栄冠を手にしてきたネルシーニョ監督から「3年ぶりにタイトルを狙える、そういうチームを指揮できることにやり甲斐を感じている」という言葉も飛び出した。その表情からはリップサービスではないことが分かった。悲願の初タイトルを狙える、その理由は大きく3つあると考えられる。
 
 1つ目は昨シーズンのセカンドステージで2位になった事実だ。警告累積や怪我人の影響もあって初タイトルこそ逃したものの、選手たちは“手の届くところ”にタイトルがあることを理解できた。
 
 キャプテンとしてチームを牽引した渡邉千真は、今年1月25日から始まる沖縄キャンプに向けてこんなコメントを残している。
「チームとして昨年のベースがあるのは大きい。タイトル獲得に向けて個人的にもシーズンを通して戦えるように準備したい」
 
 昨季11得点のペドロ・ジュニオールが鹿島へ移籍したのは痛いが、主力がほぼチームに残ったのは初タイトルに向けて大きな材料の一つと言えるだろう。
 
 2つ目は各ポジションで代表クラスを補強できた点だ。昨季途中に怪我に泣かされた中盤には、元日本代表の高橋秀人やG大阪の生え抜き大森晃太郎らが加入。FWには豪快な左足シュートをもつ田中順也、最終ラインにはネルシーニョイズムを知る渡部博文も加わった。
 
 タイトル奪取に必要な条件を“選手層”と言う田中は「試合に出ている選手も大事だが、出ていない選手がいかに準備して、出ている選手にプレッシャーを与えられるかが大切。そこに競争が生まれ、誰が出ても強いチームになればタイトルも近づく」と理由を述べる。エースナンバーを背負う小川慶治朗でさえスタメン当確ではない今季の神戸は、間違いなく過去最高の選手層を備えたと言っていいだろう。
 そして最後は元ドイツ代表のFWポドルスキ(ガラタサライ)の獲得だ。原稿作成時(1月23日現在)には未確定ながら、加入は秒読み段階に来ているとの見方が強い。もちろん、ワールドカップ得点王フォルランがC大阪でフィットしなかった前例から、ポドルスキ加入には賛否両論がある。
 
 だが、コンディション面に関してはチーム関係者が「現在トルコはリーグの真っ最中。身体は出来上がっている」と見解を述べるように問題はないようだ。神戸としてのピッチバランスが崩れなければ、初タイトルへの起爆剤になる可能性はある。
 
 ポドルスキの加入はひとまず横に置いたとしても、ネルシーニョ監督が「やり甲斐を感じる」と笑みを浮かべた今季の神戸は、優勝候補の一角と言って間違いはなさそうだ。
 
取材・文:白井邦彦(フリーライター)