今年は開局20年目という株式会社ジェイ・スポーツ(J SPORTS)は、先週の1月20日、東京都心のホテルにて「J SPORTS開局20周年プレス発表会」を行い、スポーツイベントがもたらす感動を伝えるための様々な取組みを発表した。開局20年を記念して、同社の取り組みを伝える特別サイトも開設している。

170123_yano発表会の司会は、ラグビーワールドカップ2015で神実況を行ったことで知られる矢野武アナウンサーが務めた。「2017春のアナウンスキャンプ」の講師の1人でもある

J SPORTSは2017年9月に開局20周年を迎える。今後も真摯にスポーツを伝えていくとともに、20周年を機に新機軸での番組編成・制作及び、スポーツイベントやセミナー等の事業なども視野に入れ、たくさんの“新しいコト”にチャレンジしていくという。

170123_kinoshita開局20周年記念のキャッチフレーズ“新たな挑戦へ”の前で、木下伸代表取締役が登壇。従来のスポーツ中継分野に限らず、様々な新しい事に挑戦する気持ちを、本局を代表して述べた
■新しい分野の取り組み

20周年の取り組みについての説明は今野取締役より行われた。最初に環境負荷の低減への取り組みとして「みどりの電気」を活用していることを紹介。当局は昨年9月より、毎月第1日曜日の放送は、再生可能なバイオマス発電を利用したCO2の少ない電気を使って行っているという。事業活動はもとより事業活動以外での社会的責任について本発表会で最初に紹介されたことに好感が持てる。J SPORTS放送センターに必要な電力は1日6500kWh。これは一般家庭の約750世帯分にあたる。みどりの電気は普通の発電方法と比べ、約3tのCO2排出を減らすことができる。

■J SPORTSアカデミーのスタート
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スポーツの感動を伝える人材を育成するプログラム「J SPORTSアカデミー」をスタートさせる。第一弾として、3月19、20日の2日間「2017春のアナウンスキャンプ」というスポーツアナウンサーに興味のある方を対象としたセミナーを、学校法人東放学園の協力のもと実施する。本プログラムでは、JSPORTS番組に出演中のスポーツアナウンサー3名が講師の講義、東放学園でのスタジオ体験や交流親睦会が行われる。

■スポーツコンテンツのODS化、ドキュメンタリー制作のローンチ
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J SPORTSは、「Sports Cinema !(略称:スポシネ!)」という、ドキュメンタリー映画制作プロジェクトを立ち上げる。この取組みでは、スポーツ試合中継だけでなく、その裏の真実のドラマを伝えるドキュメンタリーを制作し、映画館で上映していく予定だ。J SPORTS視聴加入者以外にもスポーツにまつわる感動共有体験の場を創っていきたいという。ドキュメンタリー内容については現在、スポーツチームに提案中だ。

■オフィシャルキャラクター「ビクトリ、ピクトリ」

昨年9月に販促活動に伴うイメージキャラクターとして誕生。各所のスポーツイベントに参加している。酉年をあやかり、今年はより多く公共の場に出る機会が増えそうだ。放送研究会に入っているという大学生の二人(二匹ではないようだ)。ビクトリはまだまだ自力歩行もままならず、さらなるアップグレードが必要という矢野アナの解説で取材陣の温かい笑いを誘った。(動きも遅いのだが)ただいま改良中とのこと。

■2017年の編成。学生スポーツ、ラグビー・野球ラインアップの充実
170123_05209gakusei新キャッチフレーズは“青春の挑戦者―最高の瞬間は、青春から始まる”

2017年の編成に関しては編成部の亀井宣晃部長より説明があった。編成において三大ポイントとして学生スポーツ、ラグビー・野球ラインアップの充実を掲げた。

学生スポーツは、世界トップレベル試合(グローバル)と地域愛/母校愛を内包する学生スポーツ(グローカル)をテーマにし、幅広く網羅する。グローカルなスポーツを、まずは全国に届けたい、そこから世界へ発信していきたい、という思いを込めている。衛星放送スポーツの発展といえば、海外の見ることのできなかったスポーツや、国際スポーツ大会トップレベルのリーグ戦を提供することで発展していった。一方で地域、卒業した学校、ここで行われている地域スポーツに関しては、まだフォローしきれていない部分だという。世界的スポーツも地域の学生スポーツも、視聴者にとっては(価値観は)同じだと気がついた、と亀井部長は話す。

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学生スポーツ放送の拡充について具体的に言えば、野球では春の高校選抜予選は東京大会以外の地区大会も網羅し、高校・大学学生サッカー大会についても放送の検討中だという。学生ラグビーについても、高校、大学リーグ、選手権の中継数を大幅に増やす。学生バスケットは、ウィンターカップは男女とも100試合ほどを放送しているところ、配信は全都道府県の決勝リーグのライブ配信、そして放送も15試合以上の中継開始を目指す。インターハイも試合放送数を増やす予定。

■ラグビー放送について
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年間350試合以上の中継、ライブ配信を目指す。直前の予定として、2月23日に開幕するスーパーラグビーは「ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ」の2シーズン目、サンウルブズ対ハリケーン戦を控えて、良試合の期待感が高まる。放送では14試合以上、J SPORTSオンデマンドではライブを中心に全142試合を配信していく。

■2017 WBC本戦全39試合生中継を実施
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今回のプレス会見内容の本命でもあった野球について、2017ワールドベースボールクラシック(WBC)を控え、あらゆる侍ジャパン世代をフォローすべく年間650試合を放送および配信していく。過去3大会も全試合を放送してきたWBC放送については、本戦全39試合の生中継はもちろん、壮行試合とWBC強化試合の7試合の生中継、そして過去3大会の日本代表戦の全試合を「侍ジャパンが世界に挑む!ワールド ベースボール クラシック一挙放送」と題してリピート放送する、力の入れようだ。

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本プレス発表会は、WBCに出場する侍ジャパン選手の壮行も目的の1つであったこともあり、当日はWBC日本代表メンバーとして選出されている2名の選手(埼玉西武ライオンズの秋山翔吾選手、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手)をゲストにトークショーが併催された。トークショーでの司会者は、野球解説者の野村弘樹氏。このトークショーの模様は現在、JSPORTSオンデマンドで配信している。

J SPORTSは2015年夏より、「J SPORTSオンデマンド」という独自の動画配信サービスを始めており、従来の有料テレビ加入者以外の視聴者層へのリーチを確保している。放送側の編成に入れられなかったスポーツ試合や緊急記者会見にも対応し、そして選手をゲストに迎えたオリジナル番組コンテンツなどを提供している。本サービスならばスポットで観たいスポーツジャンルだけでも選べ、即サービスを受けられるため、自分で有料テレビサービスに加入できない若い世代層でも、J SPORTSの番組を楽しめる。スポーツ試合の中継とライブ配信でJ SPORTSは、視聴者にスポーツコンテンツを楽しんでもらう裾野を拡げている。

(ザッカメッカ)