バリエーションの豊かさと本格的な味で、私たちの食生活に身近になった、コンビニの「おにぎり」。大手コンビニ各社は、おにぎりにどのような工夫を施しているのでしょうか。ご家庭での参考にもぜひ。

 コンビニエンスストアの食品コーナーといえば、透明のパッケージが施された、バリエーション豊かな「おにぎり」ではないでしょうか。たまに無性に頬張りたくなる、その味は技術の進化に支えられ、時代とともに洗練されてきました。

 オトナンサー編集部では今回、そんな「コンビニおにぎり」の魅力に着目、その作り方や家庭で再現する方法について、大手コンビニ各社に聞きました。

水で炊き上げ最後に塩

 まずはセブン-イレブンです。セブン&アイ・ホールディングス(HD)の担当者によると、セブン-イレブンはかつて、塩水でご飯を炊き上げていましたが、「家庭のおにぎり」に近づけようと現在は、普通の水で炊き上げたご飯に具材を入れ、最後に塩を振っているといいます。

 こうすることで、表面にほんのりと塩味がつき、内側の、塩味がないご飯と具材が味のコントラストを作り出し、よりおいしく感じられるそう。また、ご飯を冷却後に成型する従来の方法から、2015年に温かいまま成型する「HOT成型」へと切り替え、冷却によるご飯へのダメージを抑えて、よりふっくらとした食感を実現しました。

 ファミリーマートも同様に、かつては塩水でご飯を炊いていましたが、家庭の味により近づけるために、ご飯は真水で炊いて最後に塩を振る「振り塩製法」を採用。塩にはミネラルを豊富に含む「瀬戸内の藻塩」を使用しているほか、塩粒のサイズも吟味し、食べる時に程良い塩加減になるサイズを選んでいます。

 さらに、ご飯がやわらかいと包む時につぶれる可能性があるため、一粒一粒の食感がしっかり感じられるくらいの硬さで炊き上げ、包装時も締めすぎないようにフィルムのサイズなどにこだわっているといいます。

ローソンは塩水で炊いている

 最後はローソンです。ほかの2社とは異なり、ご飯を塩水で炊いた上で最後に振り塩をしています。

 塩は「瀬戸備前のにがり塩」を使用し、おにぎり全体で塩分が多くなりすぎないように塩の量を調整。包み方は、手で握ったようなふっくらした食感を目指して、平らなご飯に具を乗せてからご飯全体を包むように作る「ふっくらつつみ製法」を採用しています。

 では、家庭でコンビニおにぎりのような、おいしいおにぎりを作るにはどうすればよいのでしょうか。セブン&アイHDの担当者は「やはり、真水で炊いて、最後に少し塩を振ることと、空気が少し入るようにふっくらと握ることでしょう」と話します。

 塩を何グラム程度振るとよいのかは“企業秘密”ですが、何度かチャレンジして、自分だけのオリジナルレシピを作り上げてみては。

(オトナンサー編集部)