東大院生が考えたFX最新理論――絶対必要な最強ツールとは?

写真拡大

東大院生時代に出版した処女作、『東大院生が考えたスマートフォンFX』が異例のベストセラーとなった田畑昇人氏。現在は専業トレーダーとしてプロ転向したスキルは、とてつもない進化を見せていた。その全貌に迫る!

◆需給のバランスと転換期を読み解くツール=オアンダ

「’16年の収益も順調でした。“オアンダ”がよく効いて、値動きのわかりやすい場面が結構多かった印象です」

 振りかえるのは、『東大院生が考えたスマートフォンFX』がベストセラーとなったFXトレーダーの田畑昇人氏。田畑氏が得意とするのは、為替の需給を読み解く分析。そのための貴重な情報源となるのが、オアンダだ。

「オアンダとは、FX会社の名前。このFX会社のHPでは、利用者のポジション比率や注文情報が見られるんです。為替市場が動くのは、売り手と買い手のバランスが崩れるときですよね。たとえば、市場参加者の80%が買い、残り20%が売りだとします。8割の人が買っていれば、買いたい人の多くはすでに買っているから上がりにくい。ところが、あるニュースをきっかけにして買い手がポジションを手仕舞ったり、売りに転じたりする。すると、買いに偏っていたバランスが崩れて、急落することになります」

 市場が買いと売り、どちらかに偏っていれば、動きが出やすいということになる。

「こうしたポジション比率の情報は、通常は公表されていません。でも、オアンダは別。通貨ペアごとに、買いと売りの比率を見ることができるのです。」

 買いに大きく偏っていたら上がりにくいし、下げを警戒することになる。逆に、売りに偏っていれば上昇が近いと判断できる。特に偏りがない状態なら、上下どちらにも動く可能性あり、だ。

「オアンダでは、買い手と売り手がいくらでポジションを持ったのか、コストも見れます。買い手の多くが高いレートで買っていて含み損に苦しんでいたら、『買い手の投げ売りが出てきて下げるかも』と考えられます」

 買い手が含み損で苦しんでいたら、反対に売り手は含み益でホクホクしている。買い手の損切り売りが出てくるだろうし、売り手は売り増してくるから、下げやすい。ここは狙い目となる。

「売り手の多くが含み損なら『売り手の損切りによる買い戻しと、買い手の買い増しで上げるかもしれない』と考えることもできます。極端な話、オアンダでポジション比率と、そのコストを見るだけでも、方向性を考えることができるんです」

◆注文情報から大きなストップを探す

 オアンダにはさらに有益な情報が眠っている。それは注文情報だ。

「ポジション比率や保有コストで方向性を占えても、いつ動き出すかまではわからない。その動き出しのタイミングを教えてくれるのが、注文情報です。レートごとに指値、ストップ(逆指値)がどのくらい入っているかを教えてくれるのが注文情報。ここで注目してほしいのは、ストップです」

 注目すべきは、今よりも高く買いたい人、あるいは今よりも低く買いたい人の注文――、すなわち損切りだ。

「為替市場はゼロサムゲーム。誰かの損失が、別の誰かの利益になる世界です。自分が儲けるためには誰かを損させないといけない。そのため、大きなストップが置いてある水準をつけさせようとする動きが発生しやすい」

 昨年11月の円安局面。トランプの当選が決まると米ドル/円は101円を底に上昇していった。しかし、オアンダを見ると売りの比率が上昇。値ごろ感で売りに回る人が多かったようだ。

 ところが、売っても売ってもレートは上がるから、損切りせざるを得ない。105円、106円、107円と節目ごとにたまっていた売り手のストップを次々に刈り取って、米ドル/円はさらに上昇していった。