北朝鮮では庶民らがゼロからつくりはじめた市場経済、いわば「草の根資本主義」が急速に発展している。こうした中、個人手工業(個人事業)の生産規模が国家の生産規模を上回ったという分析が出てきた。

韓国の聯合ニュースによると、同国の政府系シンクタンク・統一研究院で客員研究委員を務める脱北者のヒョン・イネ氏は22日までにまとめた報告書で、「北朝鮮の個人手工業の規模は国家生産を上回っており、市場に流通する国産品の大部分は個人手工業の製品だ」と明らかにした。

ヒョン氏がいう個人手工業とは、個人の住宅に生産設備を設けて、少ない規模の人員で生産する家内工業や、1人または家族が所有、経営する自営業を指すという。

個人手工業で生産された製品は、食品や衣服、文房具、木工製品、履物、楽器、薬、野菜など多岐にわたる。また、中国製をまねた製品も出回っている。その理由として、「住民の消費水準が上がり、パンやアイスクリームなども(個人手工業の製品が)国営企業の製品と競っている」とヒョン氏は説明した。

一方、同じく脱北者で、政府系の韓国産業銀行で北経済チーム長を務めるキム・ヨンヒ氏は、昨年12月に開かれた大統領直属統一準備委員会の全体会議で、「(北朝鮮には)2003年以前は消費財市場しかなかったが、現在は生産財、金融、労働、不動産を合わせ『5大市場』が存在する」と発表した。

さらに、「北の市場化は体制危機の緩衝材と資本主義の温床という両面性を持っており、対北制裁の局面で、住民の生活安定に向けた唯一の出口として役割を果たしている。市場化は『経済発展と核開発の並進』を目指す金正恩政権の国政運営遂行にプラス作用の役割をしており、引き続き発展する可能性がある」と分析した。