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「コレってどうなの?」がわかる。気になるデジタルグッズの深堀りレビュー。今回は、家じゅうの壁や天井に映像を投影できるプロジェクター搭載ホームロボット『Tipron』を使い倒します!

Cerevo

Tipron(ティプロン)



実勢価格:24万8184円



▲充電モード(左)からプロジェクションモード(右)に変形。





▲充電モードとプロジェクションモードの中間となる移動モード。



▲プロジェクターを内蔵する頭部には、自動走行のためのカメラやセンサー類も備える。



▲頭部の後ろ側には、給電可能なUSB端子とHDMI入力端子を装備。外部機器の接続も可能だ。



▲底部にはタイヤが十字状に4つ備わっており、前身/後退、左右の回転で自在に動き回る。

【基本スペック】

画面サイズ(3m投射時):80インチ 解像度:HD(1280×720ドット) 輝度:最大250ルーメン バッテリー駆動時間:約2時間(オプションのバッテリー追加で約4時間まで駆動可能)

 

Tipronってどんなプロジェクター?

片付けの手間なし! 自ら動いてくれるプロジェクターロボット



自ら動いて投射位置へ移動し映像を上映できる、プロジェクター搭載の可変型ホームロボット『Tipron』。内蔵するプロジェクターは1280×720画素のDLP単板式で、最大輝度は250ルーメン。本体の頭にあたるプロジェクター部が上下左右、回転と広い範囲で稼働するので、壁面や天面などさまざまな場所への投射が可能だ。フォーカス調整は自動で、水平/垂直の形状歪み補正機能も備えるので、斜め方向の投射にも対応できる。

操作や映像のコントロール全般は専用のスマホアプリで行なう(スマホはWi-Fi接続のため無線LAN環境が必須)。アプリ上でYouTubeなどの動画コンテンツが再生できるほか、HDMI入力端子により外部映像機器の表示も可能だ。

本機の移動やプロジェクター表示の各種調整などもアプリから。スケジュール設定も可能で、例えば朝の決まった時間に自動起動・移動してベッドルームで映像の表示を始めるといったことが可能。使用後の充電も自動となっており、まさにホームロボットと言える機能性を持つ。

ロボット掃除機のような自動充電



 

▲充電ステーションをカメラとセンサーで探し、自動移動して充電。使い終わったら自力で充電場所へ戻ることが可能だ。その動作も可愛らしい。

ほとんどの操作はスマホから





▲設定はもちろん、観るコンテンツの選択なども専用アプリで行なう。ロボットを操る感覚をスムーズに体験できる。

『Tipron』の画質・音質をチェック



壁や天井へ自在に投射。台形補正も可能





▲プロジェクター部分は上下左右の広い範囲に動き、壁面だけでなく天井に向けた表示も可能。オートフォーカス、台形補正機能も備えるので、表示位置の自由度は高い。輝度も十分高いので明るめの部屋でも表示ができる。

出力5Wのモノラルスピーカーを内蔵





▲出力5Wのモノラルスピーカーを内蔵。口径も十分に大きく、くっきりとした聴きやすい音で再生が楽しめる。映画ではヘッドホンなどが欲しくなるが(外部出力は不可)、ニュースなど情報を得るための動画の視聴用としては十分だ。

HDMI/USBにはどんな機器をつなぐ?





▲HDMIケーブルは本体移動の障害となるので常時接続は難しい。『Chromecast』など、USBから給電できるスティック型の映像機器を使うのがおすすめだ。

『Tipron』の全自動モードをチェック



本体の移動や投射位置などの補正機能



 

▲移動や投射位置の調整、台形補正ができる専用アプリ。移動モードでは本体前進/後退と左右の方向転換をタッチ操作で行なう。『Tipron』の視界がスマホでもモニターでき、ロボットらしい感覚で操れる。表示位置の調整、台形補正なども同様に画面タッチ操作で行なっていく。

ポジション、スケジュールを全自動に設定!



 

▲画面の表示位置が決まったら、その場所に自動移動するよう設定できる。スケジュール設定で曜日や時間、視聴チャンネルなどを設定しておくと、決まった時間に自動移動・投射を開始。表示するチャンネルはYouTubeの動画やニュースフィードのほか、HDMI入力なども選択可能だ。

使い倒しインプレッション

画質は必要十分レベル。ロボット好きならば魅力大



プロジェクターを使う人にとって、使わないときに片付けておけるコンパクトさはありがたいもの。しかし、使うたびに持ち運んで設置し、終わったら片付けるというのは面倒で、次第にあまり使わなくなってしまいがちだ。その点、『Tipron』は自ら動いて、使い終わったら充電位置に帰っていく。これはプロジェクターとしては画期的な機能だと思う。ホームロボット技術でプロジェクターの利便性を大幅に高めたアイデアは高く評価したい。

実際にプロジェクターとして使ってみると、投射に必要な距離がやや長め。2mほどの距離では40〜60インチ程度の画面になるため、それ以上の表示はかなり広い部屋でないと難しい。少しでも大きくしたい場合は、台形歪み補正ができるので斜め投射で距離を稼ぐといいだろう。

テストでは40インチ程度のサイズで視聴したが、画面の明るさは十分で、真っ暗な部屋でなくても十分にくっきりとした映像を楽しめる。DLP方式らしいコントラスト感やキレのよい色再現のため、鮮明で見やすい映像となっている。解像度は高くないので細部のディテールはやや甘くなるが、気になる点といえばそのくらいだ。

スマホアプリを使った各種設定はわかりやすく、戸惑うことなく使うことができた。移動や表示位置の調整は楽しいの一言で、移動速度は決して速くはないが、よちよち歩きの姿がなかなか可愛らしい。ただしボディは大柄なので、使用する部屋は家具などの少ない広めのスペースでないと使いにくい。移動中はちょっとした段差でも止まってしまうので、別の部屋への移動はバリアフリー設計の住宅でないと難しそう。

本製品の使い方として面白そうなのは、会社などでのプレゼン用プロジェクターとして活用すること。たくさんの会議室のある大会社ほど活躍してくれるような気がする。

全体的な完成度はまだ決して高くはなく、価格を含めて考えても、プロジェクターとしての実用性を重視する人にとっては対象外となってしまう製品だ。それでも充電器を自分で探して自動で充電しにいく自律制御などには感心する。特にペットロボットに愛着を感じる人には、少し抜けている部分も含めお気に入りの仲間のように感じられるはず。



▲筆者の視聴室で実際に使用。マニュアル操作で動かしたり、設定した場所への自動での移動や充電モードへの移行といったロボット的なアクションの楽しさが印象的だった。

結論

【ここが○】

・使い終わると自動的に片付くプロジェクターというコンセプトは画期的。

・40インチ程度の画面で観る映像として画質は良好。

【ここが×】

・画面サイズは小さめで、プロジェクターらしい大画面投射は期待しにくい。

・自動的に動き回る性質上、障害物の少ない広い家でないと活用が難しい。

ベンチャーらしい独創性! 今後のさらなる進化にも期待したい



独創的なアイデアを実現した遊び心がすばらしい。使う部屋の広さを考えると、国内よりも海外で人気が出そうだ。片付け不要の自走式プロジェクターというコンセプト自体は国内でもニーズは高いと思うので、コンパクトでより完成度を高めた後継機の登場にも期待したい。

【SPEC】

対応アプリ:Android(4.4以降)、iOS(10.0以降) 無線LAN:IEEE 802.11b/g/n 映像入力:HDMI(HDCP対応)、USB プロジェクター可動範囲:上下 -35度/+90度、左右 ±90度、回転方向 ±90度 バッテリー容量:5900mAh サイズ:W300×H420×D340mm(変形前)/W300×H810×D330mm(変形後) 重量:約9.5kg

文/鳥居一豊 撮影/松浦文生

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Cerevo『Tipron』製品情報

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