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最近のクルマは広くて居住性が優れているというが、ガチで住んでみたらどうなるのか? 冬の都内で車中生活を体験してみた。実際にやってみることで見えてきたこと、気付いたことをご紹介しよう。

コンパクトカーでも車中泊生活は十分できる



クルマに住むというとワンボックスなど大きな車種を想像しがちだが、最近はコンパクトなクルマでも車中泊できるモデルが増えている。今回使用したホンダ『フリードプラス』もそんな居住性に優れたクルマのひとつだ。そこで、最新のクルマはいったいどれくらい住み心地が良いのか、実際に暮らしてみることにした。期間は4泊5日。仕事をしながらの車中泊生活なので、場所は基本的に都内だ。

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今回の相棒、というより住居となった『フリードプラス』。後席シートを折り畳んでフルフラットなスペースを作り出せる。

1日目は仕事が終わった後、編集部近くの駐車場で就寝。雨が降ったり、周囲がにぎやかだったりしたが、フラットな空間のおかげで結構快適に寝ることができた。これが割と重要で、通常“フルフラット”といっても多くのクルマはシートが倒れるだけでシートの凹凸が残っていたりするのに対し、『フリードプラス』はシートを前方に倒した上に付属のボードを敷くことでフラットな床になるので、思った以上に寝やすいのだ。

2日目は、都会の喧騒を避けて高速道路のPAに。高速代はかかるが都内の一般的な駐車料金と比べるとむしろ割安。しかもPAはトイレなど必要な施設が揃っているので快適だ。


高速道路のPAはトイレや自販機が揃っているし、店が開いている時間帯なら食事もできるので、かなり快適。

3日目はキャンピングカー記事の取材に直行。自分が寝泊まりするクルマに比べて快適そうな装備にちょっとだけうらやましくなる。本当に長期間住むのなら、やはりキャンピングカーのようなクルマが向いているのだろう。夜はお風呂に入るため、都内のスーパー銭湯へ。こういう施設は駐車場も広いし、利用者には駐車料金の割引もあるのでありがたい。

4日目は都内唯一の道の駅、八王子滝山まで足を伸ばす。夜でも仮眠を取るクルマで賑わって(?)いたが、アクセスも良く設備も整っているので快適だった。

寝袋とマット、それに仕事用のパソコンと電源を取るためのインバーターという最低限の装備で始まった車中泊生活だったが、途中でアウトドア用のテーブルを追加したことにより、仕事もしやすくなった。その日の気分に合わせて移動できるので、好きな場所で仕事することもできる。最終日はこの生活が終るのが少しさびしくなったほど。ただ、久々に寝た自宅のベッドは予想以上に快適で、ついつい寝すぎてしまったが……。


寝袋やインバーター、仕事用のPCなど最小限の装備で始めた車中泊生活。途中で買い足したものはあったが、ありものの装備でも結構なんとかなるもの。

 

気付いたこと01 フルフラット+寝袋があれば、どこでも最低限は寝られる

 

今回用意したのは車中泊専用のグッズではなく、最低限のアウトドアグッズ。寝具は寝袋とマットだったが、『フリードプラス』はシートの凹凸がないフラットな状態を作り出せるので、厚手のマットがなくても意外と快適に眠れた。



 

気付いたこと02 真冬でも寒さ自体は暖房などで意外としのげる

 

体験してみるまで、一番不安だったのが夜の寒さ。都内とはいえ夜中は寒いので、それで眠れなかったら……と危惧していたが3シーズン対応の寝袋でも十分にしのげた。寝るギリギリまでエアコンをONにしておくのがコツかも。



 

気付いたこと03 寝る際の駐車場はトイレ併設の場所を選ぶこと

 

とはいえ、やはり寒いので夜中にトイレに行きたくなることも。自宅で寝ている時に気にしたことはないが、車中泊するなら絶対に近くにトイレがある場所がいい。道の駅や高速道路のPAなら、必ずトイレがあるので安心だ。



気付いたこと04 いつでも買い出しできる24時間営業のドン・キホーテは強い味方

 

車中泊をしていると、急に「あれが欲しい……」と入り用になるモノが出てくることがしばしば。今回もマクラが欲しくなったり、替えの下着が必要になったりと、何度かお世話になったのが六本木のドン・キホーテ。クルマ用のグッズも充実しているのはありがたい。



気付いたこと05 都内を移動していると駐車場代がかなりの負担に

 

クルマで生活していると、一番大きな出費になるのがこれ。都市部ではクルマは置くだけでもお金がかかる。寝る時はもちろん、日中の移動もクルマだったので、都内ということもあり駐車料金はかなりの金額に……。この体験以後、普段から上限金額のある安い駐車場を探すクセがついてしまった。



気付いたこと06 お風呂はクルマも停められるスーパー銭湯で済ますのが便利

 

一方で、お金さえ出せば、全く困らなかったのがお風呂。都内には駐車場付きのスーパー銭湯がいくつもあり、タオルなども簡単に入手できるので心配ない。多くの場合、施設の利用者は駐車料金が割引になるサービスがあるので、入浴料を含めた出費は、意外にも都内の有料駐車場を長時間利用するのと大差がなかった。



気付いたこと07 車内での原稿執筆など、仕事は思ったよりはかどった

 

仕事柄、喫茶店などで原稿を書くといった機会は多いが、意外とクルマの中も仕事がはかどる。静かな個室スペースだし、テーブルを持ち込んだので作業も快適。駐車場代はかかるけど、クルマに戻れば仕事ができるというのは、結構心強かった。



気付いたこと08 とはいえ、快適そうなキャンピングカーを見ると凹む

 

今回の車中泊期間中、キャンピングカーの取材に行く機会があったが、やはり快適そうなキャンピングカーを見ると、寝袋に潜り込みながら「あのクルマだったら……」と思い出してしまう。コンパクトなバンコンなら駐車場にも困らなそうだし、次はあれで暮らしたい。



気付いたこと09 仕事に煮詰まったら郊外にまで足を伸ばして気分転換

 

毎日、好きな場所で寝られるのはクルマ生活のいいところ。気分に合わせて眺めのいい海の近くに行ったり、郊外の道の駅に行ってみたり。「今日はどこに泊まろう?」と考え、クルマを走らせるのは気分がいいものだった。特に原稿に煮詰まったりした時には気分転換にもなる。



気付いたこと10 ハイブリッド車だと、4泊5日しても意外なほどガソリンが減らない

 

今回使ったのは『フリードプラス』のハイブリッド仕様。燃費が良く、基本的に都内しか移動しなかったので、ガソリンは満タンの半分くらいしか使わなかった。しかも、エンジンをかけなくてもエアコンが使えるので、車中泊には便利だ。



気付いたこと10 路上パーキングで寝ていると職務質問される場合があるので注意

 

都心部の駐車場で寝ていたり、車内で仕事をしていたりすると、警察官に職務質問されることがある。特に編集部のある六本木近辺はその確率が高かった。まあ、普通に見たら怪しいのは間違いないが……。車中泊するなら、少し郊外のほうがオススメだ。



気付いたこと11 編集部が近いからといって六本木は夜がうるさいので眠れない

 

編集部で仕事を終えて、そのまま車内で一休み……と思っても六本木近辺はやはり人が多い。特に週末の夜になると夜中でも酔った人たちがたくさんいるので、車中泊には向かない土地柄だ。そして、移動しようとしてもタクシーだらけで、真夜中なのに道が混んでいたりする……。



気付いたこと12 雨が降り出すと、雨音で車内は結構うるさい

 

自分で運転していると雨の音が気になることは少ないが、いざ車内で寝ようとしている時や眠っている時に雨が降り出すと、その音は意外と気になるもの。音に敏感な人は、車中泊をする際に耳栓などを用意しておいたほうがいいかもしれない。



気付いたこと14 洗濯物が溜まったらコインランドリーを利用しよう

 

5日間なので、それほど大量の洗濯物が溜まることはなかったが、それでもお世話になったのがコインランドリー。駐車場付きの場所を見つけておくと便利だ。洗濯と乾燥までかけて、その間は車内で休んでいたり、仕事をしたりして待つこともできる。



気付いたこと15 自炊はさすがにできないのでコンビニ飯になりがち

 

いくら車内が広いといっても、キャンピングカー以外の車種で自炊は不可能。必然的に食事は外食かコンビニ飯になりがちだ。後述するが、特に都内は駐車場付きで食事のできるお店が少ないので、コンビニ飯の比率が高くなり、コンビニのおにぎりの種類に詳しくなった……。



気付いたこと16 タクシーのたまり場は休憩場所に適している

 

寝る時はトイレの近くがいいと書いたが、普段の生活で公衆トイレがどこにあるかなどチェックしている人は少ないだろう。そんな時、参考になるのがタクシーがどこにたまっているか。多くのタクシーが休憩している場所では、近くにトイレなどの施設が充実していることが多い。



気付いたこと17 折りたたみの自転車があると仕事に買い出しにかなり使える

 

都内で生活していると、細かい移動にはあまりクルマを使いたくない。いちいち駐車場を探すのも大変だし、上限金額のある駐車場に入れたら、できればそこから出したくないもの。そんな時にあると便利なのが折りたたみ自転車。ちょっとした買い出しや移動に使える。



気付いたこと18 山手線圏内は駐車場が併設されているファミレスがかなり貴重

 

外食をする場合、ついて回るのが駐車場の問題。そんなわけで駐車場付きのファミレスを探すのだが、山手線の圏内には驚くほど少ないことに気付かされる。駐車場のあるファミレスは貴重なので、場所をチェックしておくといろいろ便利だ。

 



気付いたこと19 クルマの側を知らない人が通るとやっぱりちょっと怖い

 

車内で寝ていたり、仕事をしていたりすると、普段は気にしていない歩行者の存在がどうしても気になるもの。そんな場合に便利なのが、窓に目隠しのできるカーテンやシェードだ。カー用品店などで入手可能なので、人目が気になる人は用意しておきたい。



気付いたこと20 でもやっぱり、家で寝るのにはかなわない……

 

フルフラットになる車内での生活は思っていたよりも快適で、自分ではこの期間中きちんと眠れている……と思っていた。しかし車中泊が終わって家のベッドで寝てみると、これが思った以上に快適で、すっかり長時間寝てしまった。車中泊生活はあまり長くならないほうが体にはいいかもしれない。



文/増谷茂樹 撮影/松川忍、編集部

※『デジモノステーション』2016年2月号より抜粋

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