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東京大学と東京電機大学は23日、鉗子先端に実装したMEMS 6軸力センサにより得られたデータから、肺がんのサイズを算出する手法を開発したと発表した。

この成果は、東京大学大学院情報理工学系研究科の下山勲教授および中井亮仁特任助教らが、東京電機大学工学部の土肥健純教授および桑名健太助教らと協働して開発したもの。米・ラスベガスで開催された学会「MEMS2017」において発表された。

今回発表された手法では、先端把持部にMEMS6軸力センサを実装した内視鏡手術用把持鉗子を用いて、柔軟材料中に埋め込まれた硬質物質のサイズと把持位置に対する位置関係を算出する。

開腹手術と比べ術後の回復期間が短いことから、近年、低侵襲な内視鏡手術が注目されており、術者が患部に直接触れて触診することが難しいことから、術前のCTスキャンによって腫瘍のサイズと位置情報を得ることが一般的だ。しかしながら、肺がん摘出手術においては術前に肺内の空気を抜いて萎んだ状態にするため、CTスキャンで得られた腫瘍の位置情報のみから、手術中の正確な位置を把握することは困難であったという。

MEMS6軸力センサを実装した内視鏡手術用把持鉗子による新手法で算出した腫瘍サイズと、CTスキャンで得られた腫瘍サイズとを比較すれば腫瘍の同定が可能になり、手術中に術者が腫瘍の正確な位置を把握することが可能になると考えられ、手術中に位置把握が困難な肺がんの内視鏡下摘出手術への応用が期待される。

両大学は、高齢社会の進展に伴って増加する肺がん患者に対して同手法を用い、腫瘍を確実に同定することができれば、手術時間の短縮によって患者・術者双方の負担を減らせるため、より安心・安全な医療の実現が期待されるとしている。