By Prachatai

iPhoneの生産を一手に引き受けている台湾の電子機器製造メーカー、Foxconnのテリー・ゴウ会長(郭台銘董事長)は2017年1月22日、アメリカ国内に70億ドル(約8000億円)の投資を行って液晶ディスプレイ工場を建設する方針を発表しました。この計画にはAppleが共同で参加することになると見られています。

Foxconn considers $7bn US display facility with Apple- Nikkei Asian Review

http://asia.nikkei.com/Business/AC/Foxconn-considers-7bn-US-display-facility-with-Apple?page=1

Foxconn Weighs $7 Billion U.S. Factory With Apple, Nikkei Says - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-01-22/foxconn-weighs-7-billion-u-s-factory-with-apple-nikkei-says

ゴウ会長は22日に開催された社員向けの年末イベントにおいて、Foxconnグループの中核企業である鴻海精密工業(ホンハイ)とAppleが共同で投資を行ってアメリカ国内に新たな液晶ディスプレイ工場を建設することを発表しました。ゴウ会長は「Appleはディスプレイを必要としていることから、共同で投資を行うことを希望している」と語っています。

この発表は、2017年1月20日に就任したドナルド・トランプ第45代アメリカ大統領が「アメリカ国内に工場を」という方針を明確に打ち出している中で行われたもの。スマートフォンのディスプレイの大型化が進む状況において、大きな需要が存在しているアメリカ国内で生産を行うのは物流の面においてもメリットがあるとゴウ会長は語ったとのこと。実際の計画などはまだ発表されていませんが、今後は3万人から最大で5万人分の雇用が創出されることになるとしています。



By iphonedigital

ゴウ会長はまた、アメリカのペンシルバニア州にスマートフォン向けの成型工場を建設するとも発表。さらに、現在はカナダにあるFoxconn傘下のスマートディスプレイ製造メーカーを、アメリカ国内に移動させるとも発表しているとのこと。ゴウ会長はこれらの施策について、アメリカに生産工場を移動させることは「不可避である」としており、トランプ大統領の姿勢や、「最大で45%」というアメリカへの輸入関税を念頭に置いたものであることをうかがわせるものとなっています。

一方で、FoxconnとAppleにとって中国は第2の市場であることから、現在生産を行っている工場がすぐに撤退するものではないともしています。ゴウ会長は「我々は中国での投資を今後も継続して拡大させる。中国は世界最大の市場です。その市場に背を向ける必要があるでしょうか?」と語っています。台湾と香港を含む中国地域では、Appleの売上の19%を占めています。

なおこの計画は、SoftBankの孫正義社長が2016年12月にトランプ氏と会談した際に発表していた投資プランに含まれるものとみられます。孫社長はトランプ氏に対し、「500億ドル+70億ドル(約5兆7000億円+8000億円)」の投資を行う」と発表していたのですが、その際に撮影された資料にはSoftBankとFoxconnの企業ロゴが並んでおり、投資額はそのならびに合致したものと考えられています。

Foxconn、ソフトバンク孫社長とトランプ氏が合意した巨額投資計画に参画! - iPhone Mania

会談後、インタビューに応じた孫社長が手にしていた書類には、ソフトバンクの横にFoxconnのロゴがあります。

ロゴの並びからは、ソフトバンクが500億ドル、Foxconnが70億ドル(約7,980億ドル)を投資し、両社がそれぞれ5万人の雇用を創出すると読めるほか、大統領の任期に相当する4年以内という期限も記されています。


なお、Appleのティム・クックCEOは2015年に行われたインタビューで「中国の労働者とは違い、アメリカ人労働者はもうApple製品を生産できるスキルを持っていない」と語っていたとのこと。Foxconnの工場のみならず、トランプ大統領が推し進める「アメリカ回帰」の動きがはたしてうまく行くのか、壮大な「実験」が始まろうとしているようです。



By Greenpeace Switzerland