信用によって膨張した資産価格が急落する瞬間を「ミンスキー・モーメント」と呼ぶが、サブプライムローン問題に端を発したリーマンショック、および、世界金融危機の際にも「ミンスキー・モーメント」は到来していた。(イメージ写真提供:123RF)

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 信用によって膨張した資産価格が急落する瞬間を「ミンスキー・モーメント」と呼ぶが、サブプライムローン問題に端を発したリーマンショック、および、世界金融危機の際にも「ミンスキー・モーメント」は到来していた。

 中国では不動産バブルが生じていると言われて久しいが、中国経済にも「ミンスキー・モーメント」は訪れることになるのだろうか。中国メディアのBWCHINESEはこのほど、中国にミンスキー・モーメントが訪れる可能性について考察する記事を掲載した。

 記事は、2012年から16年にかけての中国の資産価格の伸びは目を見張るものがあったとしたほか、マネーサプライも急激に伸びていると指摘。また、国内総生産に占める金融業の割合は12年の6%から8%に上昇する一方、製造業が占める割合は33%から30%に低下していると指摘した。

 さらに、中国の通貨である人民元は14年以降に対ドルベースで下落を続けており、16年だけでも6%以上も下落したと紹介。16年12月には株価、国債、為替がいずれも急落するという異常な事態が生じたと伝え、「これは中国経済にミンスキー・モーメントが近づいていることを示す予兆なのだろうか」と警戒感を示した。

 続けて記事は、中国社会科学院経済学教授の見解として、16年に中国の金融市場で生じた数々の異変は金融市場の自由化を過度に進めたことが原因であるとし、12年から16年にかけて中国の信用は急激に膨張していると指摘。中国は世界金融危機を受け、4兆元(約67兆円)もの景気対策を打ち出したが、この資金は不動産業や生産性の低い国有企業へと注入され、これに金融市場の自由化が重なり、結果として中国では不動産価格の制御が難しくなり、人民元の下落圧力が生じるなど、市場の歪みにつながっていると指摘した。

 一方、中国政府は16年7月26日に開いた政治局会議で「金融リスクの制御」に全力を挙げる方針を固めたと伝え、リスク制御に失敗すれば「ミンスキー・モーメント」が到来する可能性が高まるものの、元安をはじめとする各種リスクを上手に制御できれば、中国経済のハードランディングの可能性は低減できるはずだと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)