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デルが六本木のニコファーレを会場に借り切って新製品の発表会を開催した。同会場の特徴でもあるマルチスクリーンを駆使したリアルタイムオーディオビジュアルショーという派手な演出で会場はパソコンの発表会とは思えないような雰囲気で盛り上がっていた。

発表された製品のうち、XPS 13 2in1は、13型スクリーンで世界最小の2in1だ。今、13型のノートPCは、まだ、レガシーなクラムシェルでタッチ非対応のものが好まれる傾向にある。そして、そちらの方が軽量だ。タッチが求められるには、特に企業ユーザーがWindows 7からWindows 10への移行をもっと積極的に進めるようにならなければなるまい。今のところはパソコンはタッチがなくても大丈夫という意見が大勢を占めている。

○海外製が質実剛健だった時代

そのようなタイミングでもタッチ対応2in1を、しかも世界最小という鳴り物入りでデビューさせるデルは、かつてのデルを知っていたら、ちょっと意外に感じるかもしれない。

XPS 13 2in1を見て、10年ほど前にHP本社のモバイルプロダクトデザイン担当の責任者にインタビューしたことを思い出した。質実剛健だったHPの製品に、ちょっとした変化が訪れようとしていた時期だ。そのころ、その担当氏は言ったのだ。「HPの製品は世界各国で膨大な数使われている。その需要にきちんと答えるためにも、世界最小や最薄、最軽量といったことは期待しないでほしい」と。今のHPの製品を見ると、10年前にそんな台詞を吐いたことなど、まるで聞き違いだったかのように思える。

○"かっこいいPC"が生まれたのは

米国の大手パソコンベンダーが、デザインに注力したパソコンを提供するようになった理由として、やはりアップルの存在は大きい。もちろん、日本のベンダーは、そのずっと前からかっこよさを追求してきたわけだし、デルにしてもHPにしても、日本の担当者は米国本社に向けて、もっとかっこよくを連呼してきたことも知っている。でも、それは聞き入れられなかった。

そして、結局最初にそれをやったのアメリカのベンダーはアップルだというわけだ。iPhoneやiPad、Macbookなどのデザインは、明らかに今のデルやHPの製品に影響を及ぼしているし、AcerやASUSの製品にもその片鱗は感じられる。さらにはファーウェイのようなベンダーにも影響が感じられる。

ところが今、まわりを見渡してみると、日本のベンダーの方が質実剛健的なコモディティパソコンを作っているように感じる。いったい、この逆転現象は何がどうなって起こってしまったのか。10年前、ぼくらは「アメリカン=雑」くらいなイメージを持っていたはずだ。それが、今、iPhoneに夢中になり、Macbookのインダストリアルデザインに一喜一憂している。今の若い人たちであればブランドイメージはソニーよりアップルという感じなのだろう。だからこそ、若年層のiPhone率は異常に高い。ぼくらは、そのことの意味を、そろそろ考えなければならない時期にきているのではないだろうか。

(山田祥平

(山田祥平)