根付く台湾のコーヒー文化  生活に欠かせない存在に

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(台北 22日 中央社)台湾といえば、標高の高い山地で栽培された台湾高山茶を代表するお茶が有名だが、コーヒーを飲む習慣も着実に根付いている。台湾では小規模ながら一部でコーヒーの栽培が行われているほか、消費量も拡大。独特の文化が形成されている。

台湾にコーヒー文化が伝わったのは、日本統治時代。1930年代から40年代にかけては著名な喫茶店が登場し、当時の芸術家や芸能関係者の重要な社交場となった。戦後の1950年代になると、台北駅に近く、現在も営業を続ける「明星[ロ加][ロ非]館」が現代文学作家のたまり場として名を馳せるようになる。

ただ、コーヒーに詳しい林哲豪さんによると、コーヒーが大衆化したのは1980年以降だという。1990年代後半にはスターバックスコーヒーが台湾に上陸したことでスタイリッシュなイメージが新たに加えられ、さらに身近な存在になった。

さらに大きな変化をもたらしたのは、密度が世界一といわれる台湾のコンビニエンスストアで低価格のコーヒーが手軽に飲めるようになったこと。「コンビニコーヒーはいつしか品質の最低基準になった」「競争が激化し、専門店のコーヒーは必ずこの基準を超えなければいけなくなった」(林さん)。

多くの人にコーヒーが広まったことにより、個人経営のカフェも増加。林さんによると「小型の焙煎機を持ったカフェは、少なくとも3000店」という。1キログラムの豆から焙煎が可能で、多くの種類を新鮮な状態で味わえるようになった。本を片手にコーヒーを飲みながら優雅なひとときを過ごすのは、台湾でもすでに見慣れた光景だ。

だが、台湾人のコーヒー年間平均摂取量は2016年の時点で約100杯。日本の380杯、韓国の300杯に比べて圧倒的に少ないものの、伸びしろは大きいとみられ、今後さらに独自の文化が広まる可能性は十分に秘めている。

(蔡素蓉/編集:齊藤啓介)