日本の半導体メーカー・ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)は、車載レーダ分野への本格参入と高度自動運転プラットフォーム(HADプラットフォーム)の提供開始で、自動運転技術への対応を強化すると発表しました。

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まず車載レーダ分野については、自動運転車の主要センサである車載レーダ用途の車載用32ビットマイコン「RH850/V1Rシリーズ」を展開し、新シリーズの第一弾になる「RH850/V1R-M」を、特に中長距離レーダ向けに提供を開始しました。

現在、自動運転のセンシングにはカメラ、LIDAR、超音波センサなどのセンサが活用されていますが、レーダセンサはほかのセンサと比較して雨天や霧などの悪天候および夜間に強いため、ADAS(高度運転支援)、特に自動ブレーキ、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどの中核技術となっています。

自動運転用のレーダセンサでは、レンジ分解能、認識対象物の分離、速度測定の正確さを増すことが課題で、信号処理の高性能化が求められています。

今回のルネサスの「RH850/V1R-M」は (1) 高性能DSPを搭載してレーダ信号処理性能を向上、(2)ルネサスの低消費電力技術によりレーダセンサの小型化やコスト低減が可能、(3)動作周波数320MHz(メガヘルツ)の高速処理が可能なデュアルコア高性能CPUと2MBの高速フラッシュメモリを内蔵し、レーダ信号入力用高速シリアルインタフェースを搭載、という特長を備えています。

この車載レーダ用32ビットマイコン「RH850/V1R-M」は、ルネサスが2017年下半期にはサンプル出荷を開始し、2018年11月から量産する計画を立てています。

次に、HADプラットフォームについては、ルネサスとオーストリアの電子機器メーカーのTTTech Computertechnik AG(TTTech)が共同開発したもので、自動運転用車載制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)のプロトタイプの開発期間を短縮することができるということです。

現在自動車メーカー各社が自動運転車を2020年の市場投入を目指して開発を加速化させており、カメラ、レーダなどの複数のセンサーによるセンシング処理、経路計算、制御など大規模で複雑なソフトウェア開発が必要です。

自動運転用のソフトウェアは複数のチームによって並行開発されることになりますが、それぞれのソフトウェアがCPU、ハードウェアアクセラレータ、ネットワークといったハードウェアのリソースで競合せず、システムが統合されることが必要です。

この新しいHADプラットフォームは、並行開発された複数のソフトウェアを統合して実車で動作検証を行うことができます。この新製品の価格、販売時期は未定で、TTTechからの販売を予定しています。

(山内 博・画像:ルネサス)

ルネサス、車載レーダ分野と高度自動運転プラットフォームで自動運転対応を強化(http://clicccar.com/2017/01/22/434297/)