写真は日本橋の三越本店新館

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 全国百貨店協会が20日に発表した「平成28年12月・年間全国百貨店売上高概況」によると、2016年1月〜12月にかけての全国の百貨店売上高は前年比2.9%減の5兆9780億円となった。全国の百貨店売上高が6兆円を下回るのは、1980年の5兆7,225億円以来、実に36年ぶりのことだ。百貨店の売上高は1991年の9兆7,130億円をピークにその後次第に減少。2010年以降は6兆円台前半で推移していた。

 全国の百貨店売上高は、主要10都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)で全体の67.9%を占めるが、この全ての都市で前年比マイナスとなった。また10都市以外の地区(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州)においても、北海道を除く全ての地域で前年比マイナスに。百貨店を取り巻く環境の厳しさを示す結果となっている。

 12月の商品別の動きを見てみると、主要5品目(衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品、食料品)のうち、雑貨が5カ月ぶりにプラスに転じたが、衣料品が14カ月連続、身のまわり品が5カ月連続、家庭用品が12カ月連続、食料品が10カ月連続のマイナスとなった。それ以外の品目をみると化粧品が好調で、21カ月連続のプラスとなっている。

 百貨店売上高は、大都市圏を中心にここ数年は中国人観光客による爆買いに支えられていたが、それもここのところ沈静化傾向にある。国内の個人消費が全般的に冷え込む中、若い世代の需要に対応できていない、電子商取引への対応が遅れているといった問題にも直面しており、思うように売り上げを伸ばせていないのが現状だ。地方都市に立地する百貨店は、郊外の大型ショッピングセンターを相手に苦しい競争を強いられている。

 このような状況の中、各社は地方店を閉鎖・縮小して経営体制のスリム化を図るとともに、フランチャイズチェーン(FC)加盟店となって有力テナントの誘致を加速する動きを見せている。効果的な経営革新が出来なければ、厳しい状況は今後も続くことになりそうだ。