窪塚洋介

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巨匠マーティン・スコセッシ監督最新作『沈黙-サイレンス-』の初日舞台挨拶が、1月21日にTOHOシネマズ スカラ座で行われ、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈が登壇した。

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本作は、1966年に遠藤周作が書き下ろした歴史小説「沈黙」を、スコセッシ監督が28年の歳月をかけて映画化。キリシタンの弾圧が吹き荒れる江戸時代初期の長崎を舞台に、棄教を迫れらた宣教師と、隠れキリシタンたちの魂の叫びを描く。

殉教、棄教の狭間で揺れ動くキリシタンのキチジローを演じた窪塚は、「スコセッシ監督から、キチジローの人となりを演出された記憶がない」と撮影を振り返ると「オーディションの会場でお会いしたときから『お前はもうキチジローだ』って話してくれました。自分のことを信頼してくれているんだなって感激しました」としみじみ。

それでも「自覚はあまりないのですが、ハリウッドということでスケベ心を出して演じていた部分があったのか、ピュアに見えるシーンや、涙を流すシーンなどは全てカットされていたんです。本当に驚愕でした」とスコセッシ監督の眼力に脱帽した様子だった。

そんな窪塚だが、本作が持つメッセージ性について問われると「2011年に東北大震災が発生し、たくさんの弱者が生まれました」とつぶやく。さらに「この国のみっともない政府の人は、他の国には1兆円、2兆円、3兆円とばら撒くのに、自分の国の弱者には目を向けない」と悲痛の叫び。続けて「神が沈黙しているのならば、自身の心の中に答えを見つけ出して、進まないといけないんです」と力説した。

塚本も「色々な感想が沸く映画です。僕は『野火』という映画で戦争について描きましたが、この映画と似ているなと思うことがあります。宗教と戦争という違いはありますが、いつの時代も一生懸命な人を押さえつける力があります。そして、同じことを繰り返す時代への警鐘が表現されているのかなと感じます」と作品に内在するメッセージを読み取っていた。

「俺もハッピーな映画が好きなのですが、こうした重い映画が導いてくれることもある」と窪塚は強い視線で語ると「スコセッシ監督は、この映画を作り上げるために命を懸けて戦った。この映画を通じて、より良い明日がみなさんの元に届くことを信じて疑いません」と客席に訴えかけていた。