韓国代表に選ばれている李大浩【写真:Getty Images】

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前回は1次R敗退、今回もメジャー組の不参加が相次げば苦戦必死?

 3月に開幕する第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で悲願の初優勝を目指す韓国代表。2006年はベスト4、09年は準優勝と成績を伸ばしたものの、前回大会ではまさかの1次ラウンド敗退に終わっただけに、今大会にかける意気込みは並々ならぬものがある。

 MLB公式サイトは、韓国代表の特集記事を掲載。不参加と報じられた秋信守外野手(レンジャーズ)、欠場が濃厚とされる金賢洙外野手(オリオールズ)がメンバー入りすることを前提としながら、「WBCにおける韓国の過去の成功と、ここ2年の元KBO選手らのMLBでの成功を受け、来たるクラシックでは誰も韓国チームから目が離すべきでない」と上々の評価を与えている。

 記事では、秋信守、金賢洙に加え、メジャー1年目で圧巻の成績を残した元阪神の呉昇桓投手(カージナルス)、マリナーズからFAとなった元ソフトバンクの李大浩内野手が現時点でロースターに含まれていると紹介。さらに、昨季のKBOで好成績を残した選手たちの名前も列挙し、「KBOとMLBのタレントを混合させたロースターによって、彼らは確実にまた勝ち進むことができる」としている。

 一方で、飲酒運転で交通事故を起こした後、現場から一時“逃走”するという不祥事を起こした姜正浩内野手(パイレーツ)について「フィールド外での問題により除名され、韓国チームには入らない見込みだ」と言及。軽率な行為で国内でも批判を浴びている韓国ナンバーワン打者が不在となったことを「遊撃手に予定されていた姜の喪失は、韓国にとって埋めるには大きな穴を作った」と伝えている。

「フルラインナップで挑むことができれば、その先も勝ち進むことが可能」

 さらに、「韓国のMLB打者がチームを先導するだろう」と打力を評価しているが、当初のロースターから秋信守、金賢洙が抜けることは濃厚。記事でも「MLB球団がクラシックでのプレーから外れるよう話し合おうとすることができるため、秋と金にも疑問符がつく。特に秋についてはそのけがの経歴からだ。彼は2016年、いろいろなけがによって49試合しかプレーしなかった」としており、分析よりも戦力は落ちることになる。

 投手陣については「マウンド上ではKBOオールスター先発陣に加えて、KBOでクローザーを経験した7人のリリーバーを有している。しかし、最終的に呉が加われば、それが大きな援助となるだろう」と、賭博問題で当初はメンバー外だった呉昇桓の追加招集は大きいと指摘。それでも、KBOは以前から打高投低とされており、記事では「投手陣は薄い」と分析している。

「韓国はA組通過の本命と言える。特にフルラインナップで挑むことができれば、その先も勝ち進むことが可能だろう。かつてそうしたように」

 特集はこのように結論づけているが、ここまではメジャーリーグの招集に苦労しており、ベストメンバーで本大会に臨める可能性は低い。しかも、A組は強敵ぞろい。オランダ代表はメジャーリーガーを多く招集しており、バンデンハーク(ソフトバンク)やバレンティン(ヤクルト)ら日本で実績のある選手も参戦予定。野球熱の高いチャイニーズ・タイペイは難敵で、初出場のイスラエル代表もピーダーソン(ドジャース)、キプニス(インディアンス)ら10人程度のメジャーリーガーが全て参戦すれば侮れない。今大会も、まずは韓国で開催される1次ラウンドが最初の関門となりそう。悲願の初優勝へ“スタートダッシュ”できるかが鍵となりそうだ。