“クルマ好き”なら、自分の生まれた年に誕生したクルマを調べたことがあるのではないでしょうか?

ちなみに、ワタシが生まれた平成元年(1989年)はというと、全日本ツーリングカー選手権を席巻した「日産・スカイラインGT-R(R32)」のほか、日本仕立ての高級サルーン「トヨタ・セルシオ」、そして2人乗り小型オープンスポーツカーの累計生産数でギネス記録をもつ「マツダ・ロードスター」など、錚々たる顔ぶれ。

しかし、ご存知のとおり「スカイラインGT-R」は07年に「GT-R」としてスカイラインから独立し、「セルシオ」は06年に販売を終了。唯一、その販売と進化を続けてきたのは「ロードスター」だけでした。

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2015年には、マツダの持ち味である魂動デザインとスカイアクティブ・テクノロジーで仕立てた4代目「ロードスター」が誕生。最小限に抑えたとはいえ、肥大化かつ重量増に悩まされていたボディをシェイプアップして、最も軽いモデルで1000kgを下回ることに成功。ドライバーの思い描く通りにヒラリヒラリと軽快に走る姿は初代「ロードスター」の再来として話題となりました。

そんな「ロードスター」の特徴のひとつが、ルーフを開けることで楽しめる爽快感です。現行型では腕一本で手軽に開閉できるソフトトップが開発されましたが、実は先代の3代目「ロードスター」では、電動格納式ハードトップ搭載車の方が販売好調だったこともあり、現行型でもその登場が待ち望まれていました。それこそが「ロードスターRF」です。

そもそも「ロードスター」の開発では「電動格納式ハードトップ搭載車が前提にあった」と、開発を率いた中山 雅 氏は語ります。

電動格納式ハードトップ搭載車は多くの販売を期待できる反面、よりコンパクトにまとまったボディに果たしてルーフをどう収めるか?が課題に。フロントタイヤと乗員との距離が離れる一方でホイールベースは短く、ドライバーの後ろの余裕は先代より70mmも少なかったそうです。

当初はルーフを8分割して収める案も検討されましたが、やはり収まりが悪く、カッコも良くないという指摘を受けてボツに。しかし、中山 雅 氏と南澤 正典 氏(エクステリア担当)には腹案がありました。

それが、あえてリヤルーフを残すスタイルでした。その場でスケッチをさらさらと描き、「ここ(リヤルーフ)を残す前提でデザインさせてくれませんか?」と提案。すると、マツダのデザイン&ブランドスタイルを担う前田 育男 氏はひと言「これで行けよ!」と。

「ロードスター」と「ロードスターRF」。両者はルーフの形状が異なるだけと思うかもしれませんが、実はクルマの上半分だけでなく下半分も異なります。

ハードトップおよびその開閉機構に加えて、2.0Lエンジンや17インチホイール、大径ブレーキなどで車重は110kg増加。さらにリヤまわりの剛性が勝ち気味になり、真っ直ぐ走るのに長ける反面、曲がりにくくなってしまったそうです。

そこで「ロードスターRF」ではフロアトンネルをつなぐトンネルメンバーを専用設計。あえて一部をくり抜くことで剛性のバランスを整えているのです。

また、空力バランスも異なるため、フロントアンダーカバー前端にリップが追加されているのも「ロードスターRF」ならではの特徴です。

(今 総一郎)

【関連リンク】

より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

「マツダ・ロードスターRF」は上だけでなく下も違った!?(http://clicccar.com/2017/01/21/439022/)