タイ人Jリーガーも誕生し、快進撃を続けたタイサッカー界。今年も期待が高まる

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「東南アジアの優等生」といわれ順調な成長を続けるタイ。

 生活水準の向上とともに近年はスポーツ界の発展も顕著で、その象徴といえるのがサッカーだ。2010年代に入り急成長を遂げた国内リーグの盛り上がりを背景に、代表チームの実力も急上昇。オリンピックやワールドカップのアジア予選でも最終予選に駒を進めるまでになった。Jリーグがアジアの国々との連携をはかる「アジア戦略」でも、2012年に真っ先に提携を結んだのがタイリーグ。サッカーにおいても、東南アジアの先頭を走るリーダー的存在となっている。

 2016年10月13日、タイのプミポン国王が崩御した。

 世界最長の在位70年を誇り、タイの象徴でもあった偉大な王の死に国中が悲しみに包まれ、多くの国民は自主的に黒い服を身につけて喪に服した。スポーツ界もその影響を受け、サッカーのタイリーグは3節を残してシーズンを終了。カップ戦も含めて、2016年に予定されていた残りの試合は全てキャンセルとなった。

◆アジア予選で首位通過の快挙

 タイは2010年代に入り急成長を遂げた国内リーグの盛り上がりを背景に代表チームも急激に力をつけている。

 Jリーグがアジアの国々との連携をはかる「アジア戦略」でも真っ先に提携を結んだのがタイリーグで、サッカーにおいてもタイは東南アジアのリーダー的存在だ。

 昨年はタイ代表がアジアトップレベルの舞台に本格的に登場、Jリーグの「アジア戦略」と絡んだ日本との関係性においても新たな展開が見られた。今、アジアの中で着実に存在感を高めているタイサッカー界の2016年を振り返る。

 タイサッカーの台頭を最もわかりやすく示しているのがタイ代表の活躍だ。アジアトップレベルの争いには加われない時代が続いていたが、ここ数年の急成長で状況は一変した。2016年はリオデジャネイロ五輪予選、ロシア・ワールドカップ予選と続けて最終予選まで進出。アジア上位の勢力図にタイが加わったことを印象づけた。

 ワールドカップのアジア予選では、2次予選を無敗で首位通過。中東の強豪であるイラクの優位が予想されたグループだったため、タイの快進撃は驚きを与えた。タイが最終予選に進出したのは2002年の日韓大会予選以来2度目のこと。だが、前回は日本と韓国がホスト国のため予選を免除されていたという特殊事情があっただけに、実質的には初の快挙と言うこともできる。

◆スタメンのほとんどがタイ代表という「ドリームチーム」も誕生

 アジア最終予選では前半戦を終えて1分4敗と苦戦を強いられているが、ホームのオーストラリア戦では現アジア王者の強豪を相手に堂々たる戦いぶりで勝ち点1を獲得。現在グループ首位に立つサウジアラビアにもアウェイで0-1と惜敗したものの対等な戦いを見せており、今年3月に再開される後半戦に期待を抱かせる。

 また、年末には2年に一度開催されるAFFスズキカップ(東南アジア選手権)で2連覇を達成、単独で大会最多となる5度目の優勝を飾った。貫禄を感じさせる勝ち上がりはこれまでとはひと味違うもので、東南アジアでは頭一つ抜けた存在となったことを感じさせた。

 プミポン国王の崩御により唐突なエンディングを迎えたタイリーグでは、ムアントン・ユナイテッドが4年ぶり4度目の優勝を決めた。2015年シーズンまではブリーラム・ユナイテッドが3連覇を達成、国内主要タイトルの大半を獲得する独壇場だっただけに潮目の変わるシーズンとなった。

 ムアントン・ユナイテッドはもともとタイを代表するビッグクラブだが、2016年シーズンは開幕を前に大きな変化があった。母体企業であるタイの大手メディア「サイアム・スポーツ」が、同じく名門のBECテロ・サーサナを買収。同クラブに所属していた多くのタイ代表選手が移籍してきたことで、スタメンのほとんどをタイ代表の主力が占める「ドリームチーム」が誕生。その結果のリーグタイトル奪還だった。