都内でMLBジャパン主催の少年野球教室に参加したアストロズ・青木宣親【写真:編集部】

写真拡大

2度の世界一を経験「前回と決定的に違うのはメジャーの選手を知っていること」

 3月に開幕する第4回WBCに侍ジャパンの一員として出場するアストロズ・青木宣親外野手が21日、都内でMLBジャパン主催の少年野球教室に参加。すでに発表済みのメンバー19人の中では、日本人メジャーリーガーとして唯一選出された35歳の最年長は侍のリーダー役に名乗りを上げた。

「自分は2大会ぶりになるけど、若い時は必死に勢いでやるだけだった。そういう状況を作れるように、日本代表のために精一杯やるつもり。先輩たちから教わったことを伝えていきたい」

 そう語る言葉には、すでに自覚が漂う。2大会連続出場となった09年大会では、当時マリナーズのイチローがチームをけん引。精神的な支柱として世界一の立役者となった。今度は自分がチームを引っ張る立場となり「何か聞かれれば助言もできると思う」と青木。強みとなるのが、メジャーでの経験だろう。

「09年の前回と今回で決定的に違うのは、メジャーの選手を知っているということ。だいたいの選手は知っているし、何も知らなかった前回とは見方も違う。気になったことは、ほかの選手にも伝えていける」

 今大会、メジャー選手が各国の主力として多く出場しており、メジャー在籍5年間で実際に見聞きした情報を惜しみなく伝えていく。例えば、外国人選手特有の速くて動くボールへの対処法。「皆さん(報道陣)にはお伝えできないけど、選手には伝えますよ。いろんなメジャーの選手に(対処法を)聞いたりしたこともあるので。しっかりと自分に教えられることは教えたい」と語った。

共闘を心待ちにしている「スター選手」の存在とは…

 2大会ぶりの出場。リードオフマン候補としてプレー面での期待は大きいが、青木自身、心待ちにしていることもある。まだ一緒にプレーしたことのない若手選手との共闘だ。

「メンバー何人かには電話を入れたけど、実際に会って話したことのない選手もいる。大谷や坂本や山田……実力あるスター選手と実際にプレーできることをうれしく思う」

 そう言って視線を3月に向けた。今後は都内で自主トレを続け、2月中旬からアストロズの春季キャンプに2週間参加した後に帰国。3月1日以降に侍に合流し、本大会を迎えるスケジュールだという。

 この日は昨年創設されたリトルリーグ全国大会「MLB CUP」で優勝した武蔵府中リーグの小学生を対象とした野球教室に出席。今季から所属するアストロズでの新背番号「3」を発表し、気持ち新たにWBCへ向かっていく。

「イヤでもプレッシャーがかかるし、切羽詰まった状況が続く。みんながそうならないようにプレーすることが大事。自分にできることをして、チームに貢献したい」

 06、09年の2度の世界一を知り、今大会唯一のメジャーリーガーとなる可能性もある青木。日本ハム・大谷、ヤクルト・山田、DeNA・筒香ら20代の若手が主力を形成する侍ジャパンにとって、35歳の存在は頼もしい力となってくれそうだ。