レンジャーズ・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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昨季キャンプ中にはベルトレの2年契約延長を発表

 今季終了後にフリーエージェント(FA)となるレンジャーズのダルビッシュ有投手の契約延長交渉が、スプリングトレーニング中にも本格化しそうだ。球団公式サイトが予測している。

 現地20日にダラスで行われた球団イベントに参加したダルビッシュは、3月に開催される第4回WBCの不参加を正式表明。2015年3月に受けた右ひじ靱帯修復手術(通称トミー・ジョン手術)から復帰2年目の今季、通常のキャンプ期間中に“大事な試合”に投げることは「リスクが大きすぎる」との見解を示したという。

 球団創設以来まだ一度もワールドシリーズ制覇を果たしたことのないレンジャーズは、今オフに積極的な補強に乗り出し、今季の悲願達成に懸ける意気込みは並々ならぬものがある。同時にシーズン終了後にFAとなるダルビッシュにとっても、今季のパフォーマンスは次期契約を大きく左右するだけに重要な1年となる。WBC不参加という選択は、球団にとっても右腕にとっても賢明な選択だったと言えそうだ。

 米メディアやファンの間では「レンジャーズはダルビッシュと契約延長すべき」という声が高まっているが、ダニエルズGMはダルビッシュ側と契約に関する話を少ししたが具体的なものではなかったと語ったそうだ。記事によれば、レンジャーズの傾向として「契約延長交渉はスプリングトレーニング中に本格化する」という。チームの主将的存在でもあるエイドリアン・ベルトレ内野手が2年契約延長に合意したのも、昨年のスプリングトレーニング中だった。

FAになれば争奪戦必至、レンジャーズは流出を防げるか

 だが、ダルビッシュは契約よりも、まずは自分のパフォーマンスを上げることに集中しているようだ。記事によれば「トミー・ジョン手術から復帰2年目で、自分の身体がどう反応するか、どんなピッチングができるかを見たい。自分がどんなピッチャーかを見せられたら」と通訳を介して話したそうだ。2012年の入団以来6年目を迎えるレンジャーズにも愛着を感じているようで「今まで御世話になっている。大きな契約をしていただいたことにも感謝している。恩返しはしたいです」と、世界一を目指す今季に向けての意気込みを語ったという。復帰後1年目だった昨季終了後も「肘の状態はよかった。すでに投げ始めていて感触はいい」と順調に準備が進んでいる様子をうかがわせたそうだ。

 2011年オフにポスティングシステム(入札制度)を利用してレンジャーズに移籍したダルビッシュは、約5170万ドル(約59億2500万円)の入札金+6年総額6000万ドル(約68億7600万円)という大型契約を結んだ。2015年3月にトミー・ジョン手術を受け、約1年あまり戦列を離れたが、昨年5月にメジャー復帰。これまで100試合に登板して、46勝30敗、防御率3.29の成績を収めている。

 今季終了後にFAとなれば争奪戦は必至だが、レンジャーズはその前にエース右腕の流出を防ぐ手立てを見つけられるのだろうか。まずはスプリングトレーニング中の動向に注目だ。