2017年の米ドル/円相場をトップアナリストが予想! 米・トランプ新政権の経済政策への見方で二分された 「円安派」と「円高派」、それぞれの為替予想とは?

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2017年1月21日現在の米ドル/円相場は1ドル=114円台後半。ここから円安が加速するのか? それとも円高に反転するか?

ダイヤモンド・ザイ3月号では、トップアナリスト4人に2017年の米ドル/円相場の予想をしてもらったところ、アナリストたちの意見は真っ二つに! カギを握るのは、米国のトランプ政権の経済政策をどう見るか、どう進展するかだった。

1米ドル=130円台のさらなる円安の予想も

 為替、特に日本株への影響が大きい米ドル/円相場は、今年どのような動きになるか? 1米ドル=130円台もあると分析するのは、スガシタパートナーズ代表取締役社長の菅下清廣さん。

「内需拡大を目指すトランプ新経済政策が前進すれば、NYダウは2017年には2万ドル台を目指す展開になる。こうした強い米国への期待感から、ドル買いの流れが一段と強まると予想します。2015年6月の125円を抜ければ130円台への円安も想定できる可能性もあります」

【スガシタパートナーズ・菅下清廣さんの予想】
「130円台まで進む可能性も」
[円安]130円(年末) [円高]105円(8月)


トランプ大統領となりインフレ・円安・株高の流れに。米国の新経済対策の実行とアベノミクスの新成長戦略が前進すれば、節目である120〜125円を突破も。そうなれば年内に130円台まで進む可能性もある。


 キャッシー・松井さんが副会長を務めるゴールドマン・サックス証券では、菅下さんよりやや控えめな予想だが、それでも3月に118円、6月に120円、年末には125円と、徐々にではあるが、円安になると予想している。

【ゴールドマン・サックス証券 キャシー・松井さんの予想】
「年度末にかけ円安が徐々に進行する!」
[円安]
125円(12月末) [円高]118円(3月末) 

ゴールドマン・サックスでは円安が進行すると予想している。ただ、私自身は17年は企業の業績の拡大や内需の拡大次第では、円安=株高の関係が崩れ、円安が進行しなくても株高になる可能性も高いと見る。

米国の保護主義路線から円高に転換もありうる?

 一方、HSBC証券の城田修司さんは2017年末は1米ドル=110円の円高になると予想する。

「トランプ氏は選挙中に『中国と日本は通貨安を誘導している』と主張してきました。今後は、米製造業の競争力を強化させるため、ドル安状態を容認する可能性があります」

【HSBC証券 城田修司さんの予想】
「米製造業の復活を目的にドル安容認へ」
[円安]
123円(4月末) [円高]110円(12月末)

現状、米国の経常赤字は安定しているため、あえて強いドル政策を掲げて海外から投資マネーを呼び込む必要はない。自国の製造業の強化を図る上でも、トランプ政権はドル安を容認する可能性が高い。


 UBS証券の居林通さんは、より積極的に、トランプ政権は「ドル安を目指す」と主張する。

「積極的な景気刺激策を打ち出して財政赤字になり、金利が上昇してドル高円安にと期待する向きは多いですが、政策が見えない現時点では全く不透明です。そもそも同氏の基本スタンスは米国最優先の保護主義。世界経済が需要不足になっている現状では、自国の製造業の再生を図るためには、ドル安政策こそが何より求められています」

 それを踏まえて、居林さんは2017年末で105円台を予想している。

UBS証券 居林通さんの予想
「米国最優先でドル安政策を積極的に展開」
[円安]
112円(3月末) [円高]105円(12月末)

トランプ氏を当選させたのは、製造メーカーなど保護貿易的な政策を志向する人々であることを忘れてはいけない。今後、米国経済を強くするために、積極的なドル安政策を仕掛けてくると思われる。


 円安か円高か。いずれにしても、トランプ政権の具体的な政策と進展が、今後の米ドル/円相場に、引いては新興国を含む世界の経済と株価に大きく影響してくることは間違いなさそうだ。