ストラカンFF戦で2ゴールを挙げた鳴海。日本で夏冬得点王に輝いたストライカーが、イングランドでも決定力の高さを見せ付けた。写真:ナイキ

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「2点取ります」
 
 前日に語った自らの言葉を裏切らない見事な2ゴールだった。
 
 JFAとナイキの全面協力を受けて、1月16日からイングランド遠征中の青森山田高校が現地時間20日、中村俊輔のセルティック時代の恩師ゴードン・ストラカン(現スコットランド代表監督)が運営するストラカン・フットボール・ファンデーションと対戦。高円宮杯U-18プレミアリーグと全国高校選手権の二冠を達成した日本ユース最強軍団は、ユース代表選手やプロフットボーラーも輩出している名門アカデミーを4-0で一蹴した。
 
 この一戦で1点目と2点目を挙げたのが、エースの鳴海彰人(3年)だ。2日前のプロ養成機関『ナイキアカデミー』との一戦ではノーゴール(0-0のドロー)に終わり、リベンジに燃えていたストライカーは、「いつも俺にボールをくれれば点を取ってやるって気持ちで声を出しています」と語った通り相変わらず序盤から大声でボールを要求。6分にチームのファーストシュートを撃てば、16分には惜しい直接FKを放った。
 
 そして、26分だった。連携から右サイドに流れた佐々木快(3年)のクロスを、ヘディングで押し込んで先制ゴールを奪う。本人が「相手は細かい動きに対応できない感じだったので、うまくニアからファーに流れればフリーになれると思っていて、その通りに動けました」と振り返った通り、動き出しの質の高さがもたらした得点だった。
 
 その後も32分と34分に惜しい一撃を放てば、51分には2点目をゲット。細かい連携で相手ディフェンスラインを崩し、最後には振り向きざまに右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。これは「みんなで良い崩しができていて、最後はノールック気味に感覚で振り抜いて上手くいきました」と回顧する。
 60分にはハーフウェーラインで敵陣に入った位置から、いきなりの超ロングシュート。前に出てきていたGKの頭上をうまく越えたが、ボールは惜しくもポストに弾かれた。その2分後には、お役御免とばかりにベンチに下がる。しっかり結果を残せたからだろう。試合後の表情は実に晴れやかだった。
 
「たしかに昨日、2点取りますって言ったんですけど、3年生の仲間で試合をするのは最後だし、まずは勝ちたかった。そのうえで自分があわよくばゴールを奪えればいいなって思っていました。だから嬉しいです。楽しかったですホントに」
 
 インターハイと全国高校選手権でいずれも得点王に輝き、この英国遠征も2ゴール。図抜けた決定力を誇るが、Jリーグのクラブから正式オファーは届かず、春からは仙台大学に進学する。
 
「自分には何かが足りないからJリーグからオファーがこなかったと思っています。もちろんプロになりたいので、その“何か”を仙台大で探したいです。大学でまた結果を残します。4年間ずっと得点王になりたいです」
 
 日本ユース世代で最高峰のストライカーは、青森山田での3年間、そして今回のイングランド遠征で学んだことを糧に、大学へ殴り込みをかける。「俺が決めてチームを勝たせる」という点取り屋らしいプライドを胸に秘めて――。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

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