「片思いの彼とうまく話せない」という女子のお悩みに、おネエ系映画ライターが解答!

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女子の恋のお悩みは、いつの時代も多種多様、人の数だけ違うもの。だから、「こうしろ!」と言われてその通りにすればハイ解決!と言うものでもないですよね。

そんなモヤモヤとした恋の悩みを抱えた女子に、数々のファッション誌やテレビ番組「スッキリ!」でもおなじみのおネエ系映画ライター・よしひろまさみちさんが「映画」で解答しちゃいます。

■◆本日のお悩み女子

私は話すのが得意ではなく、片想いの彼が相手だと尚更、楽しい会話ができなくなってしまいます。私と話していても楽しくない・退屈じゃないかなと心配です。(あひる/21歳/専門学校生)

■◆結論:聞き上手になればいいんでね?

あひるさんは、話すのが得意じゃないって意識があるみたいだけど、それはいつものこと? それとも、片思いの彼に対してだけ?それとも〜、もともと人見知りちゃん? 

いずれにしてもなんだけど、お話が得意じゃないっていう意識を持っている人は、がんばって話そうと思えば話すほど墓穴を掘ってしまいがちなのよね。うんうん、わかるのよ〜、それ。かくいうあたしもそうだったから(といっても、遠い昔の話……)。元来お話すること自体は嫌いじゃないけど、人を選ぶっていうクソ生意気なガキだったあたし。うまく話で盛りあげないと!って思えば思うほど空回りして、自分のことばっかり話してしまい、相手はあくび。そうそう……そうだった、若い頃そうだったわ(いま思い出した)。

あひるさんはどういう感じなのかしらね。誰とでも話をするのは苦手? それとも仲のいいお友だち相手だったら、話が弾むのかしら。

相手にかかわらず話すのは苦手っていう感じだったら、無理して話さなくても大丈夫な人を見つければいいの。全人類が話し好きなわけじゃないし、実際寡黙なカップルって多いのよ〜。ほとんどしゃべらないけど、なんだか通じ合えるってことあるんだから。

そうじゃなくて、仲良し相手には話し上手ってことだったら、その彼を相手にしてるときだけ緊張してしまって、思うように話せないだけだと思うのよね。人見知りちゃんのこじれたタイプってこと。それか、彼の前にいると思いがあふれ出てしまって、何から話を切り出せばいいのかわかんなくなっちゃっう、ってこともあるわよね。もしそうだったら、まずは落ち着け!

自分が思うほど、相手は気にしてない。だから「あたしといて退屈じゃないかしら……」なんて心配はご無用。退屈な相手だったら、男ってそもそも会ってくれません。少なくとも一緒にいて悪くない、興味がある、って思わない限りは、おミーの約束はとりつけられないものよ〜。

でね、どんな人見知りちゃんのパターンにも当てはまる最高の方法があるっちゃあるのよ。ただし、それをするには、まず自意識を消し去ること。なにをするかというと「聞き上手になる」ってことなの。

■◆エンジョイするには、まずはじっくり聞いて

聞き上手って言われてもなんだかよくわかんないわよね。相手の一方的な話を聞いて「そーだよねー、わかる〜(棒読み)」っていう相づちをうつのが聞き上手なのか、って言われるとそうじゃないし。いるじゃない、そういう子。

たぶん、あひるさんはそうやってうまいことやってるお友だちとかを見ていると「いいなー。(わかってないくせに)盛り上がってて」って思っちゃうでしょ。でもね、そういう子のマズいところは、話を聞いてるふりして、実際は聞き流しているってことなのよ。

聞き上手の術っていうのは、あたしと同じような仕事をしている人達のほとんどがやってることと同じ。「相手の話を聞く、聞き出す、エンジョイする」なの。その例として挙げたいのが『ラブソングができるまで』っていう映画。



主人公のアレックスは元人気歌手で、今はパッとしないミュージシャン。超絶人気アイドルからの楽曲提供オファーを受けたんだけど、全然いい詞が浮かばないのね。そこに彼の部屋の掃除バイトに来たソフィーが、まさかの天才的作詞能力を発揮。二人で楽曲を紡ぎ上げていくうちに、彼らの間にも恋心が芽生えて……っていうラブコメなのね。



で、この二人がもー、言葉での意思疎通が難しいのよ。かたやアレックスは芸能界ドップリの皮肉屋。ソフィーはソフィーでめちゃくちゃ一般人で、言いたいことを口走っちゃうタイプ。おかげで曲作りは当然難航するわ、お互いの気持ちを素直には打ち明けられないわ。でも、彼らが急接近するに至ったのは、二人で作り上げたラブソング「愛に戻る道」のおかげだったの。



言いたいことを素直に言えない人、言いたいことを言いすぎて本心を語るに至らない人。それがこの映画の主人公ね。彼らに足りなかったのは「聞く力」ってわけよ(某書籍タイトルなんだけど)。

自分から話そう、伝えようと思って空回りするくらいなら、話が得意な人の話を素直に聞いていれば、自然と話は盛り上がるし、そこをきっかけに自分の考えも言えるようになるんじゃないかしら。それって、あたしらがいつもやっている「インタビュー取材」と一緒なのよね……。仕事とはいえ、お互い面識ない者同士が話をするわけだから、お話をうかがいにきているインタビュアーの方がひたすら聞き役に徹するわけよ。そこで自分の話は必要ナッシング。ひたすら聞く力をフル稼働させるってわけ。その力をフル稼働させると、お話の内容で「ここはもっと掘り下げたい」とか「それ初耳。どういうこと?」っていう箇所が出てくるから、次の質問につながるわけ。



わからないことはわからない、知りたいことは知りたい、ってハッキリと意思表示して、相手が悪い気分になることなんてないんだから(仕事だとたまにあるんだけどね)。困ったときはオウム返しよ。ほら、阿川佐◯子さんも使ってるじゃない。「必殺、オウム返し!」って。キーワードを拾って「あ〜、◯◯ですよね〜」って返すだけでも、相手は「お、そこに興味持ったのか」ってことになって、次の話をしてくれるはず。



いずれにしても気取らず、聞き耳たてて、興味あることだけ食いつく。これであひるさんと彼の会話も、今よりはエンジョイできるんじゃないかしら。(よしひろまさみち/ライター)

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(ハウコレ編集部)