英国遠征中の青森山田が地元クラブに4発圧勝! エース鳴海が2得点の活躍

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 高円宮杯U−18サッカーリーグ2016 チャンピオンシップと第95回全国高校サッカー選手権大会の2冠を達成した青森山田高校が、王者の貫禄を見せつけた。

 現在、競技の普及や次世代選手の育成推進を目的としたプログラム「JFA Youth & Development Programme(JYD)」の一環として、JFAとナイキジャパンの全面協力の下、イングランド遠征を行っている青森山田。現地時間20日、イングランドフットボール協会の本拠地であるセント・ジョージズ・パークで地元クラブのストラカン・フットボール・ファンデーション(SFF)と対戦した。

 SFFはプロや年代別の代表選手を輩出している、まさに“プロ予備軍”。また、かつてMF中村俊輔(ジュビロ磐田)がセルティックに所属していた時の恩師で、現在はスコットランドの代表監督を務めるゴードン・ストラカン氏が経営しているチームだ。

 青森山田はGK坪歩夢、DF三国スティビアエブス、DF工藤聖人、DF橋本恭輔、DF小山新、MF住永翔、MF嵯峨理久、MF住川鳳章、MF永島卓徒、FW佐々木快、FW鳴海彰人が先発に名を連ねた。

 試合は序盤から青森山田が主導権を握る。2日前にプロ養成所「ナイキアカデミー」と練習試合を行った彼らは、外国人の屈強なフィジカルやぬかるんだピッチに慣れてきた様子。キャプテンの住永が「日本の長所である細かいパス回しや、距離感を近くしてワンタッチ、ツータッチでテンポを上げてボールを動かすことができた」と言うように、自分たちのリズムでパスをつなぎながらゴールに迫った。

 7分、左サイドを三国と嵯峨のパス交換で崩し、最後は鳴海がシュートを放つ。15分にはゴール正面の位置から嵯峨がフリーで右足を振り抜いたが、相手GKのファインセーブに阻まれた。その2分後、FKを鳴海が直接狙うも枠上に外れてしまう。

 待望の先制点が生まれたのは27分だった。佐々木のクロスに鳴海がヘディングで合わせゴール左に沈めた。後半に入ると青森山田が“らしさ”を発揮する。57分、嵯峨のパスを受けた鳴海が振り向きざまに右足を振り抜きゴール。その後も三国、途中出場のDF中山純希が追加点を奪った。全選手がピッチ内で声を掛け合い、攻撃だけではなく元気の良さでも相手を圧倒した。

 ラスト10分を切った時、今回の遠征で指揮を執る上田大貴コーチがマネージャーの伊藤翼を送り込んだ。3年生にとってはこの試合が青森山田でのラストマッチ。1年生の時にケガをして以降、マネージャーという立場でチームを支え続けた伊藤も最後の最後に同級生たちと同じピッチに立った。

 試合はそのまま無失点に抑え、4−0の大勝利。上田コーチは「めちゃくちゃ良かった! ナイスゲーム!!」と選手たちを称え、彼らもまた「最後に青森山田らしい試合ができた」、「本当に楽しい試合だった」と弾けるような笑顔を見せた。

 短い期間ではあったが、今回の遠征で得たものは大きい。球際の強さやフィジカル、スピードといった違いはもちろんだが、飛行機での長距離移動、時差ぼけ、英国流の食事、ピッチコンディション……通常とは異なる環境の中で、いつも通りのプレーをするむずかしさを実感したことだろう。上田コーチが「日本とは全然違う環境でコンディションを整えることにパワーを要する。そういうところも、今後のプラスになる」と語っていたように、彼らの今後のサッカー人生につながる貴重な経験になったはずだ。

取材・文=高尾太恵子