『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』の主演を務めた安藤サクラ

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『百円の恋』(14)で第39回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラ。しばらくの充電期間を置いて撮影した映画が『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』(1月21日公開)だ。当時、女優業を見つめ直していたという安藤は「もしかしたらこれが最後かもしれないと思いながら撮影をしていた」と、舞台挨拶でも明かしていた。本作の撮影を経てどんな境地に至ったのか?安藤を直撃し、いまの胸の内を聞いた。

【写真を見る】素敵!海辺でヴァイオリンを弾く安藤サクラ/[c]2016「島々清しゃ」製作委員会

監督は新藤兼人監督の孫で、『転がれ!たま子』(05)以来11年ぶりにメガホンをとった新藤風だ。安藤は「本作に入るまでかなり期間が空いていて、私自身が次の一歩を踏み出すのにいろいろと迷っていた時期でした」と当時を振り返る。

「まずは私がこの昨品に関われるかどうかという部分で監督と話し合いをしました。その時に監督が私ときちんと向き合ってくださったので、久しぶりで不安ではあったけど『新藤風監督ならば』と、安心感を得たなかで撮影に入ることができました」。

沖縄でオールロケを行った本作。『島々清しゃ』とは、沖縄を代表する作曲家・普久原恒勇の名曲のことだ。東京からやって来たヴァイオリニストの北川祐子(安藤サクラ)が、耳が異常に良い小学生・花島うみ(伊東蒼)や島の子どもたちとの交流を経て、自分自身を解放していく。

実は安藤自身も、学生時代から沖縄の音楽とは深い関わりをもっていた。「中学の頃からすごく沖縄の音楽に憧れて、沖縄の離島の高校を受験することも考えました。ただ、自分が行きたい島には工業高校しかなかったので諦めたんです。でも、高一の最初の夏休みに少ないバイト代をはたいて1人で宮古島へ行って1か月ほど滞在し、島のおじいから三線を買ってそこで教えてもらっていました」。

そういう意味で、沖縄音楽との縁を感じたという安藤。「いつもありがたいなと思うのは、いままで自分と縁がある作品とのすごく幸せな巡り合わせがあることです。その頃の自分を思い出すこともできるし、自分自身をまた更新することができる。つまりその出来事が化石になったままではなく、その時の自分の思いや誰かにお世話になったことが何かの形で活かせるような気がするんです」。

本作に出演したことで「自然な生き物としての呼吸の仕方を取り戻せた感じがしました」という安藤に、2017年の豊富について聞いた。「この撮影を終えて半年くらいの間に、またいろんなテレビドラマやいろんな経験をさせていただいた。それでもっと自然の摂理を大事にしたいというか、作品に対して健康的に関わりたいし、ちゃんとバランス良くやっていけたらいいなと思うようになりました」。

安藤は、2017年のキーワードとして“健やか”を挙げる。「もちろん無理に頑張って仕事をする時もあるだろうけど、どんなにムリをしても自分の本能とうまくバランスを整えることを大切にしたいです。そしたらまた仕事の向き合い方や表現方法も変わるんじゃないかって思ってます。せっかく島で水に浮かびながら自然に身体を委ねる心地よさを知ったので、その感覚を大切に毎日おいしい朝ご飯を食べられたらいいなぁ。夜遅くまでお酒を飲むのも好きだけど、今年は夜の誘惑に負けず、朝の贅沢な時間を過ごしてみたいです」。【取材・文/山崎伸子】