中国メディア・参考消息網は19日、数日前より中国国内で騒動となっている、日本のホテルチェーン・アパホテルの客室に、南京大虐殺を否定する内容の書籍が置かれている件について「日本はどの面を下げて『過去の不幸な歴史に過度な焦点を当てるな』というのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・参考消息網は19日、数日前より中国国内で騒動となっている、日本のホテルチェーン・アパホテルの客室に、南京大虐殺を否定する内容の書籍が置かれている件について「日本はどの面を下げて『過去の不幸な歴史に過度な焦点を当てるな』というのか」とする記事を掲載した。

 記事は、同ホテルに対する中国市民の抗議や、中国政府の批判コメントについて菅義偉官房長官が18日に、日中両国は「過去の不幸な歴史に過度な焦点を当てるべきではない」といった趣旨のコメントを発表したと紹介。「このコメントについては、日本政府の実際の行動と対比して考えるべきだ」とした。

 そして、毎年8月6日に広島で、9日に長崎で政府が原子爆弾による死者を追悼するセレモニーを行うこと、さらに、同15日にも政府が戦没者追悼式を実施することに言及。戦後70年に「あらゆる策を巡らせて米国大統領に広島訪問させた」ことと併せて「これらは『不幸な歴史に過度な焦点をあてる』にはならないのか」と疑問を提起した。

 さらに、天皇や閣僚がしばしばサイパンや硫黄島、フィリピンなどの太平洋戦争の激戦地を訪れ、犠牲者を追悼すること、2015年の戦後70年に発表された「安倍談話」で第2次世界大戦に触れた際、最初に「300万あまりの同胞が命を失った」とし原爆や大空襲、沖縄戦による市民の犠牲について言及したことに対しても「不幸な歴史に過度な焦点をあてる」ことになるのではないかとしている。

 記事は、今回の問題は「日本社会の右傾化という大局の縮図であり」とし、菅官房長官の言論を「一部の日本人による本能的な反応だが。それは日本が国際社会から徐々に離れつつあることを示しているのだ」と主張。「日本の将来について憂慮し、警戒せざるを得ない」と結んだ。

 日中両国間に存在する歴史認識問題は、両国の政治的立場が異なる限り、今後も大なり小なり波風を立たせることだろう。今回の騒動が起きるまで、多くの中国人観光客が同ホテルを利用していたことだろう。今後中国人観光客の宿泊がほとんどなくなってしまうのか、それとも一定数の中国人が同ホテルを利用し続けるのか。気になるところである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)