どうすればお金持ちになれるのでしょうか。この問いへの答えは、表面的には簡単に見えます。

具体的に答えるのは難しいかもしれませんが、基本的にいえば、お金儲けにはげみ、手堅く貯蓄し、賢く投資する。要は、お金持ちになることに注力して、健全なファイナンシャル・プランニングを実行すれば、お金もちになれそうに思いますよね。

ところが、最新の心理学研究によれば、それほど話は単純でないようです。健全なやり方で資産を築き、守ることは間違いではありませんが、お金持ちになるために努力するというのは、お金持ちになるための最善の方法ではなさそうなのです。

では、何に力を入れればよいのでしょう?

人生の目的を持つ人にお金が集まる


最新研究によると、預金残高を増やしたいなら、金銭的な成功を追い求めるより、人生の目的意識を持つことのほうが重要なようです。

いつも興味深い話題を提供してくれる英国心理学会(BPS)のブログ「BPS Research Digest」に紹介されたこの大規模研究では、7000人以上の米国人を9年にわたって追跡しました。

研究の開始時に、まず被験者の人生における目的意識が評価されました。「何の目的もなく生きる人がいるが、自分はそうではない」といった見解に、どれくらい同意できるかを回答させるというものです。そのうえで、被験者の純資産と収入が追跡調査されました。10年近い調査の結果、目的意識が強い人と弱い人の富には差が生じたのでしょうか?

人生の目的意識は幸福感をもたらすと考える人はいるでしょう(実際、それを裏付ける研究結果も存在します)。しかし、今回の研究では、人生の目的意識は富をもたらす効果もあることが明らかになったのです。

研究では、「調査開始時に、より強い目的意識を示した人は、調査期間中により多くの資産を築き、また収入もより増加したことが明らかになった」とBPSは述べています。「個人の性格や、人生への満足度が及ぼす影響を考慮しても、結果は変わらなかった。統計的には、調査開始時における目的意識の強さが1標準偏差増えると、追跡調査を行った約9年間の蓄積資産が2万857ドル上昇した」

目的意識と蓄積資産は、若い被験者でとりわけ強く相関していました。つまり、キャリアの初期に明確な人生の目的を持っていると、その影響が特に強く現れたということです。


どのような目的を持つべきか?


この結果を読んで、こんな疑問が頭に浮かんだ人もいるでしょう。「どんな目的を持つのが、最も多くの富をもたらすのだろうか?」と。調査の最後により多くの資産を築いていたのは、お金を稼ぐという目的を持っていた人だったのでしょうか。それとも、世界をより良くするとか、幸せな家庭を築くという目的を掲げていた人たちも、同様に金銭的な成果を得られたのでしょうか。

残念ながら、この点はあまりはっきりしません。「研究では、被験者に目的意識の内容までは質問しなかった」とブログは指摘しています。そのため、どのような目的を持つのが最も多くの富につながるのかという疑問に結論を下すことはできなかったのです。

今回の研究では、金銭的な成功ではなく何らかの影響を与えることを目的に生きた方が富を得られるという決定的な証拠は示されていません(目的意識が強く、より多くの資産を築いた被験者は、単純にもっとお金を稼ぐことを目的に掲げていて、それに成功しただけかもしれません)。それでも、ただ成功するために成功を追い求めるのでなく、情熱を注げる対象を見つけてそれを追及すれば、そのあとから成功はついてくるという主張の後押しにはなります。


How to Get Rich, According to New Psychological Research|Inc.

Jessica Stillman(原文/訳:米井香織/ガリレオ)
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