Jリーグができた頃、日本サッカーを強くするためにと、皆が気持ちをひとつにして、突き進んでいた。その成果として、初のワールドカップ出場があった。
 
 だけど、時代が進むにつれて、当初、掲げた理念が少しずつねじ曲がってしまったのではないか。いろんな事情があるにせよ、リーグの興行面や組織内の権力争いが取り沙汰され、日本サッカー界が一枚岩になっていないような雰囲気を感じるんだ。
 
 だからこそ、原点に戻る必要がある。
 
「日本代表を強くするために、国内リーグをプロ化するんだ」
 
 Jリーグを生み出す主因となったこの理念、キャッチフレーズを、サッカーに関わる人たちはもう一度、噛み締めるべきなんじゃないかな。
 
 ひとりでも多くの選手が“木之本イズム”を意識して、ピッチに立ってプレーしてくれたらと思わずにはいられない。
 
 今年は、ワールドカップ出場を賭けたアジア最終予選が控えている。木之本さんのためにも、日本代表にはぜひ勝ってもらいたい。無事にロシアへの切符を手にすることができれば、彼も天国できっと喜んでくれるに違いない。
 
 なんのためにJリーグが生まれたのか。今季は、それを改めて考え直すシーズンにできればと願うよ。