トランプを大牽制、米国雇用を巡るオバマ「最後の正論」

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 いよいよ今日、1月20日にトランプ氏が米国の大統領に就任します。当然ながら、今年に入ってからのオバマ氏の言動についての報道は、去り行く立場を反映してか、だいぶノスタルジックな感じになりました。先週1月10日に行われたオバマ氏の大統領退任演説についての報道も、「自身の実績を正当化」「国の結束を訴える」など情緒的でつまらないものばかりでした。

 しかし、米国でも日本でもほとんど報道されていませんが、この退任演説でオバマ氏が重要な問題提起をしていることを見逃してはいけません。それは米国の今後の雇用についてです。

グローバル化よりも
デジタル化の影響が深刻

 トランプ氏は、グローバル化による工場の海外流出と安価な輸入品の増大が、米国の中流階級の白人の仕事である製造業の雇用を奪ってきたとして、通商政策ではかなり強硬な保護主義に走ろうとしています。TPP脱退などマルチの自由貿易協定の否定のみならず、工場を米国からメキシコに移す企業をツイッターで個別に攻撃して米国での雇用創出を約束させるなど、グローバル化が米国の雇用に関する諸悪の根源という前提に立って、政策論的にはメチャクチャな行動に出ていると言えます。

 これに対して、オバマ氏は退任演説の中で明確に反対しています。グローバル化がこれまで米国経済にもたらした負の側面も認めつつ、以下のように述べています。

「次の経済的な苦境は海外からはやって来ない。そうではなく、急速に進む自動化が中流階級の仕事を時代遅れにする形でもたらされるだろう」

 一般大衆向けの演説なので平易な言葉で喋っていますが、要はAIやロボットに代表されるデジタル化が、今後はグローバル化以上に米国の雇用に影響をもたらすだろうと言っているのです。

 だからこそオバマ氏は、「米国社会で苦しんでいるのは、移民などのマイノリティや田舎の貧困層だけではない。外目には恵まれているように見える中年の白人層も、経済・文化・技術の変化によって苦しんでいるんだ」と述べています。

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