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星野リゾートは1月20日、バリ文化・芸術の中心地であるインドネシア ウブドに「星のやバリ」を開業。バリは同社が一から着手した初めての海外施設であり、"聖なる川に向かう運河の集落"をコンセプトに、北米や欧州の旅客も視野に入れた「チャレンジングな経営」(星野リゾート代表取締役社長の星野佳路氏)に挑む。

○ウブドは"ただのビーチリゾート"ではない

星野リゾートとして国内外合わせ37軒目の施設として今回、星のやバリが開業する。星のやバリは、インドネシアの中で有数の別荘エリアであるウブドに展開。バリに関してインドネシア共和国観光省の成田忠彦氏によると、1960〜70年においては北米・欧州の観光客がメインであったが、1970年半ばに日本のツアーが本格化し、1994年には日本人観光客の比率が26%を占めるほどに拡大したという。そのバリにおいても、「ウブドはただのビーチリゾートではなく、あくまでもアジアンラグジュアリーリゾート」(成田氏)と位置づけされるように、ワンランク上の旅が楽しめる。

星野リゾートの海外施設として、すでにタヒチに「星野リゾート Kia Ora ランギロア」を展開しているが、タヒチは現地企業から運営受託してリブランドしたもの。フランス・イタリア・北米からの利用者が多く、日本人利用者は全体の15%程度と言う。

今回のバリは、星野リゾートが一から着手した初めての海外施設であり、日本の空間作りの良さとバリの文化の調和を経験できる空間に設(しつら)えている。当初の計画から開業まで1年半〜2年程度遅れたが、「海外の人と話していると、『なんだ、その程度か』と励まされることもありました」と星野氏は言う。別荘エリアのウブドの中でも、星のやバリは上位グレードのリゾート施設となる。北米や欧州の人々に、どのように星野リゾートの魅力を伝えていくのか、今までとは異なる戦略が求められることになるだろう。

○約3haもの敷地内に大自然が宿る

では実際、星のやバリではどのような体験ができるのか。星のやバリはウブドの東側に位置し、デンパサール空港(バリ国際空港)より車で70分となる。平らかな土地が急激に深く谷底の渓流へと切れ込む、バリらしい地形に広がっている。約3haの敷地には、運河を模した3つのプール、プールに直接入ることができる30のヴィラ、渓谷に浮かぶ7つのガゼボ、渓谷を臨むダイニングなど、ウブドの大自然を感じられる空間で構成されている。

敷地内には大きく2つのゾーンを構築。平坦な場所はヴィラが立ち並ぶ宿泊ゾーンであり、それぞれが大きなプールに面する3つのブロックからなる。ヴィラから続くプライベートなプールと、運河のようにゆったりとしたパブリックなプールがゆるやかに一体化したもので、どのヴィラからもダイレクトにアクセスできる。

もうひとつの深い渓谷に面した場所には、パブリックゾーンを展開。斜面上段にはバリの文化遺産であるスバック(用水路)が走り、それに絡むようにデッキウォークが続く。ヴィラに続くデッキウォークの途中には、渓谷に浮遊するような体験ができるカフェ・ガゼボを設計。バリの大地に刻まれた大自然と一対一で向き合うひとときを提供する。

○シーンで選べる3つのヴィラ

まずは宿泊ゾーンから。インテリアデザインには、ウブドで育まれた芸術を採用。ウブド地域を中心に培われたカーヴィング(彫刻)は家具や外壁に施され、芸術家が魂を感じられるという。ヴィラ客室は3タイプの独立型。全てのヴィラから24時間楽しめる最長70mのプールに直接入ることができ、随所に施したバリ伝統の建築様式と、星のやオリジナルのインテリアに囲まれながら、上質な滞在が楽しめる。

「ヴィラ・ブラン」(定員:3人/占有面積:208平方メートル)には、寝室を包むように緑の鮮やかなガーデンテラスを設計。運河プールの水辺には、ゆったりとしたプールサイドリビングを備えている。

メゾネットタイプの「ヴィラ・ソカ」(定員:2人/占有面積:187平方メートル)には、2階にやさしい光が差し込む心地よい書斎を備えた寝室を設置。1階には室内のリビングとプールサイドリビングがあり、草花に囲まれたお庭を眺めながらくつろげる。長期滞在や4人で一棟に宿泊するときにもオススメとのこと。

熱帯雨林の渓谷に面した「ヴィラ・ジャラク」(定員:3人/占有面積:198平方メートル)では、川のせせらぎと鳥のさえずりが心地よく、ウブド本来の清らかな朝をテラスで迎えることができる。レストランやスパなどのパブリックエリアからも近く、テラスからリビング・寝室まで段差の少ないフラットな造りのため、小さな子どもとの滞在にもぴったりだという。

○渓谷に浮遊するカフェで小休止

パブリックゾーンにもさまざまな工夫が凝らされ、バリの伝統を感じるグルメでもてなしてくれる。まずカフェ・ガゼボでは、インドネシアの地ビールなどのアルコール、バリの熱帯気候に合わせたマンゴーやパッションフルーツなどを使用したスムージーやノンアルコールカクテルのミクスド・ドリンクを提供。料金はRp120,000〜(約1,080円〜/税金・サービス料別)で、コーヒー・紅茶は無料で振る舞われる。

渓谷を臨むダイニングでは、バリの食材を熟知したシェフが仕上げるコース仕立ての「コンテンポラリーバリニーズ」を用意。コンテンポラリーバリニーズとは、10皿におよぶコースの中で多種多彩なフレーバーをストーリーでつないでいく新しいバリ料理のこと。サンバル(辛味調味料)が光るカルパッチョ仕立てのお造りや、3種の特製ソースで楽しむ牛フィレ肉など、随所にバリの技法や演出をとり入れた新しいバリ料理を提供する。料金はRp1,200,000(約10,800円〜/税金・サービス料別)。

朝食は和食・アメリカン・インドネシアンの3種類から選べ、インドネシアンでは9つの多彩なコンディメントとともにインドネシアのおかゆ「ブブール」を提供する。料金はRp350,000(3,150円〜/税金・サービス料別)。そのほか、ミーゴレンやナシゴレンなどインドネシアの食堂などでも愛されているグルメのルームサービスも提供する。料金はRp140,000〜(約1,260円〜/税金・サービス料別)。

さらに、ライブラリーやショップ、スパ(オイルマッサージ(Rp1,400,000〜=約12,600円〜/税金・サービス料別)、朝日のヨガ・夕陽のヨガ(無料))などの施設を備えている。またアクティビティとして、お祈りのためのチャナン作りバリ人の信仰生活に欠かせないチャナン(葉や花びらで作るお供え物)作り体験(無料)や、世界遺産の景色と寺院をめぐるウブド・バリ北部満喫ツアー(ひとりRp400,000(約3,600円/税込)、バリの哲学「トリ・ヒタ・カラナ」と世界遺産「スバック」触れる文化トレッキング(ひとりRp300,000(約2,700円/税込)なども用意している。

舞踊や絵画など、芸術の中心地として、また、世界遺産やバリ・ヒンドゥー教を体感できる文化の地として、世界の人々を魅了してきたインドネシア・ウブド。手付かずの大自然と、日本人にとって馴染み深い居心地の良さ。癒やしの用意はここ、星のやバリに整っているようだ。

●information
星のやバリ
所在地: Br. Pengembungan, Desa Pejeng Kangin, Kecamatan Tampaksiring, Gianyar 80552 Bali, Indonesia
客室: 全30室(ヴィラタイプ) 敷地面積:約3ha
パブリック施設: プール・メインダイニング・カフェ・テラス・スパ
チェックイン15:00、チェックアウト 12:00
料金: 1泊1室 Rp9,000,000〜(約8万1,000円〜/税金・サービス料込)
交通:デンパサール空港(バリ国際空港)より車で70分
※1円=約0.009ルピアで算出

(松永早弥香)