大丈夫なんでしょうか?

最近、日本の米軍基地にも配備された米国最新鋭の戦闘機F-35ですが、その開発・維持費は合計1兆ドル(約114兆円)以上になり、軍事史上最大の金食い虫と言われています。

さらに米国防総省の新たな報告書によれば、F-35には2019年の戦闘テストまでに修正しきれない欠陥が何百件もあるようです。この報告書は国防総省の年次報告書の一部なのですが、F-35がボロボロであることが淡々と書かれています。以下、太字は米Gizmodoによるものです。

米軍はブロック3F(訳注:F-35のバージョンのひとつ)の戦闘時性能に見られた276件の欠陥を「修正不可欠」とした。だが3FR6(訳注:「ブロック3F」の最新バージョン)で試みられた修正では、その重要な欠陥の半分以下しか対応されなかった。

ちなみに「ブロック3F」とはざっくりいうとF-35としての最終仕様、「3FR6」はその中でも一番最後のバージョンということです。つまりもう完成形であるはずなのに、まだ100件以上も欠陥が残っているんです。

さらに、今把握されている欠陥に加えて、これからもまだ問題が発見されると予想されています。報告書には、欠陥が一定のペースで発見され続けているとあります。

欠陥は毎月20件のペースで発見され続けており、初期運用試験・評価(IOT&E)の前またはその最中にさらに多くの欠陥が発見されるであろうことは疑いがない。

具体的な欠陥の中身はといえば、たとえば音速の壁を超えたときの飛行性能が「不快で容認できない」と表現されています。それからオーバーヒートとか、サイバー攻撃に対する脆弱性の問題もあります。

国防総省はF-35の問題をこれだけ認めていながら、その焦点を今年8月に始まる初期運用試験・評価へと移そうとしているようです。開発段階でのテストはそこそこに、さっさと実地のテストを始めちゃおうってことみたいですが、そういうことすると問題がかえって長引きがちですよね…。

この報告書ではまた、F-35のコストが膨張し続けている問題は簡単には解決できないことも認めているようです。F-35開発計画の課題を列挙した部分には、次のような項目があります。

重要かつ明確に文書化された欠陥に関して;本計画ではこれらのうち数百件に関し、システム開発実証の中で適切に修正し、飛行テストで検証する予定はない。このような計画において開発後に未解決の欠陥があることは一般的だが、本計画ではF-35の性能と適合性に残る欠陥が累積的に及ぼす影響を、ブロック3Fの完成・配備の前に評価し、緩和しなくてはならない。

こんなありさまなので、ドナルド・トランプ次期大統領はF-35計画を厳しく批判しています。下のツイートでは「F-35計画とコストはコントロール不能だ。1月20日(訳注:トランプ大統領就任の日)以降、軍事(と、他のものも)の支出を何十億ドルもセーブできるだろう」と言ってます。

それでもF-35の開発を主に担っているロッキード・マーティンは、F-35計画が抱えるこうした問題を認めようとしていません。が、同社CEOのMarillyn Hewson氏は1月13日、コストを大幅に引き下げるような新たな契約を結ぶと一応言ってはいます。

ただコストはあくまで問題の一部に過ぎません。去年8月には米空軍がF-35が「戦闘準備完了」と宣言してたんですが、その1カ月後には離陸不可能と判断するというドタバタもありました。10月にも海兵隊のF-35が訓練中に火を吹く事故がありました。

ナウシカでいえば「腐ってやがる…早すぎたんだ」な段階のようにみえるのですが、今週日本の岩国米軍基地にいる海兵隊にもうF-35、配備されてしまいました。ちなみに米国外への配備は、これが初めてだそうです。さらに日本の自衛隊も、F-35をお買い上げしちゃってます。日本でも米国でも、巨神兵みたいにメルトダウンしたりしないことを祈るばかりです…。


image: Wikimedia
source: DOT&E, Twitter, CNN, Defense News, NHK, 944th Fighter Wing

Michael Nunez - Gizmodo US[原文]
(福田ミホ)