19日、韓国の朴槿恵大統領の親友・崔順実被告らをめぐる一連の事件で、サムスン電子の李在鎔副会長に対し出されていた逮捕状請求を韓国の裁判所が棄却した。写真は李在鎔氏。

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2017年1月19日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友・崔順実(チェ・スンシル)被告らをめぐる一連の事件で、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長に対し出されていた逮捕状請求をソウル中央地裁が棄却した。韓国最大財閥の事実上のトップの逮捕となれば韓国経済全体にも打撃は不可避と言われていただけに、このニュースは日本など海外でも大きく報じられたが、韓国は「棄却」の一報以降、まさにこの話題で持ち切りとなっている。

聯合ニュースなど韓国メディアは、政府から独立して事件捜査に当たり、李氏逮捕に続き朴大統領の聴取へと捜査拡大を計画していた特別検察官チーム(特検)に「急ブレーキが掛かった」と伝えた。また、贈賄と第三者供賄、特定経済犯罪加重処罰法上の横領、国会での証言・鑑定に関する法律違反(偽証)と容疑をそろえ李氏の逮捕状を請求していた特検は、令状棄却について「極めて遺憾」と表明、緊急会議を開き再請求などの検討を進めているという。

オーマイニュースによると、朴大統領退陣などを求める「ろうそく集会」を主催する団体は裁判所の決定直後、「法は平等ではなく、常識はまたしても崩れた。裁判所は財閥の前に動きを止めた」などとして裁判所を批判する意見を表明した。「裁判所が国民の怒りを無視するのであれば」、21日のろうそく集会で「裁判所がぶち壊した正義を立て直す」という。

一方SNSでは、「彼が囚人服を着て逮捕されるシーンを見ないと眠れそうにない」など、19日未明の「棄却」決定を受け落胆や怒りを吐露するネットユーザーらの声が飛び交った。聯合ニュースの記事に寄せられた3万近いコメントの中で最多の共感を得たのは「死法部(韓国語で司法部と同音)、金の前に法はない」との声で、財閥の前に「法が死んだ」「正義が死んだ」と嘆くものが他にも多数上がった。また、あるユーザーは「この逮捕に朴槿恵の収賄罪がかかっていたのに、法の上にサムスン、正義の上にサムスンがいた。430億ウォン(約42億円)が賄賂でないとしたら、いったいいくら払ったら賄賂なんだ?」とつづった。

さらに、「まさかとは思ったけどやっぱり…」「さすがサムスン共和国」「これだけ証拠がそろってるのになるほどサムスンはすごいな」と棄却決定を予測していたようなコメントや、「韓国で生きていることが本当に恥ずかしい」「あきれた国だ」「本当に国が腐ってしまった」「朴槿恵の笑い声が聞こえる」といった声も多数の共感を得た。(翻訳・編集/吉金)