病院から誘拐された赤ちゃん、18年後に無事発見(出典:http://www.telegraph.co.uk)

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出産したばかりの我が子を他人に誘拐されてしまった親の苦悩は、想像を絶するに違いない。このほど1998年に誘拐された赤ちゃんが18年ぶりに発見され、生みの両親と再会することができたという奇跡的なニュースが英米各紙で伝えられている。

事件が起こったのは、約20年前の1998年7月10日のことであった。米フロリダ州にある大学医療センターで当時16歳のシャナラ・モブリーさんは、カミヤちゃんという女児を出産した。

しかし、わずか8時間後に悲劇が起きた。グロリア・ウィリアムズ被告(51歳)が、カミヤちゃんを病院から連れ去ったのだ。ウィリアムズ被告は看護師のふりをして手術用の手袋をはめスモック姿でシャナラさんの部屋に入った。病院のスタッフは同被告をシャナラさんの親族と思っており、またシャナラさんは病院の看護師だと信じていた。

監視カメラには、ウィリアムズ被告が産まれたばかりのカミヤちゃんを毛布に包み腕に抱えて部屋から連れ去った姿が映っていたという。

ウィリアムズ被告はカミヤちゃんを誘拐する1週間ほど前に流産しており、誘拐した後に2人の子供を出産している。誘拐したカミヤちゃんを自宅のあるサウスカロライナ州のウォルターボロへと連れていった同被告は、パートナーのチャールズさんが留守中に“アレクシス・マニーゴ”と新たに名付けられたカミヤちゃんを出産したと嘘をついた。そのことに何の疑いも抱かなかったチャールズさんは、カミヤちゃんのことを18年間我が子と信じて疑わず、愛情を注ぎ育ててきた。

この誘拐事件に進展が見られたのは昨年末のことであったが、発生した当時から大きく報じられており、行方不明や密売人などに悪用された子供を探し出すネットワーク「The National Center for Missing & Exploited Children」でも取り上げられ、FBIの捜査協力のもと犯人を密告した者には25万ドル(約2870万円)という国内最高の懸賞金がかけられていた。そのため警察にはこれまで2,500件以上の情報が寄せられ、捜査の甲斐あって2016年についにカミヤちゃんと思われる女性の居所が判明した。その女性のDNAとカミヤちゃんの出生時のDNA照合してみると、見事に一致したことが今月13日にわかったという。

我が子を誘拐された母シャナラ・モブリーさんと夫のクレイグ・エイケンさんは、カミヤちゃんが誘拐されてから3人の子供を持ち育てている。夫婦は2000年に、カミヤちゃんを出産した病院側から150万ドル(約1億7000万円)の賠償金を受け取ったそうだ。

15日、ウォルターボロの警察署でシャナラさんとクレイグさんはすっかり成長した娘に再会した。18年ぶりに我が子に再会することができた夫婦の喜びは計り知れない。クレイグさんの母であるヴェルマさん(66歳)は、「クレイグにそっくり。長い間会えなかったけれど、ずっと知っているような気がする」と18年ぶりにビデオチャットを通して見た孫のことを語った。

クレイグさんも「長い18年でした。もうあの子を失いたくない」とこれまでの苦悩の日々を振り返っているようだ。しかし、肝心のカミヤちゃんは「母(ウィリアムズ被告)は、私に必要なものを全て与えてくれて育ててきてくれました。母は悪い人ではありません」と自身のFacebookで綴り、今月13日にウィリアムズ被告が起訴された時にも金網越しに同被告を見て「ママ…」と涙ぐむ姿を見せていた。

18年間も他人の子供を誘拐して、まるで我が子のように育てて来たウィリアムズ被告の近隣住民らは今回のニュースに驚きを隠せないようだ。普段ソーシャルワーカーとして働いていたという同被告はボランティア活動にも熱心で、教会に行く姿も毎週のように目撃されたという。また、彼らが娘だと思っていたカミヤさんと一緒にネイルサロンへ出かけたりと仲睦まじい様子を見せていたそうだ。ある住民は「子供が虐待されているといった感じは一切見受けられなかったね。普通の親子だった。でもその18年間は『嘘』だったんだね」とコメントしており、ウィリアムズ被告の親族も同被告が誘拐した女児を育てていたとは知らなかったそうだ。

さらにジャクソンビルのマイク・ウイリアムズ保安官は、このように述べている。

「みなさんが想像するように、カミヤさんはこれからたくさんのことを考え、受け止めていかなければならないでしょう。」
「しばらくの間は、これまでのようにサウスカロライナ州で暮らすようですが、この先、生みの両親と暮らすことになるのかどうかはまだわかりません。カミヤさんはもう18歳なので、あくまでも本人次第でしょう。」

出典:http://www.telegraph.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)