白石和彌監督が選ぶ、日活ロマンポルノ3本

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新生ロマンポルノ『牝猫たち』の白石和彌監督が選ぶ、日活ロマンポルノ3選。

1971年に製作を開始し、1988年までの17年間の間に約1,100本もの作品が制作された成人映画のレーベル「日活ロマンポルノ」。その伝説的レーベルを現代にリブートした新作プロジェクトの中の1本、『牝猫たち』の白石和彌監督が選んだ日活ロマンポルノ3本とは?

『(秘)色情めす市場』

大阪釜ヶ崎のドヤ街を舞台にした田中登監督の名篇。通天閣が見下ろす夏の釜ヶ崎を舞台に、孤独な売春婦のトメをはじめ、ワケあり根無し草の人々が織りなす日々を描く。

監督:田中登
脚本:いどあきお
キャスト:芹明香/花柳幻舟/夢村四郎/萩原朔美/絵沢萌子/宮下順子ほか


(C) 日活

『赤線玉の井 ぬけられます』

原作は清水一行の『赤線物語』。昭和33年の新春、売春防止法が施行された頃の東京“玉の井”の特飲街で働く売春婦たちの哀歓を描く。

監督・脚本:神代辰巳
キャスト:宮下順子/芹明香/丘奈保美/中島葵/吉野あい/絵沢萠子ほか


(C) 日活

『天使のはらわた 赤い淫画』

人気シリーズ『天使のはらわた』第4弾。不本意にもビニール本のモデルになってしまった女が、恋人を失い、仕事も失い、大都会を彷徨しながら堕ちていく姿を描く。

監督:池田敏春
脚本:石井隆
キャスト:泉じゅん/阿部雅彦/伊藤京子/沢木美伊子/山科ゆり/栗田陽子ほか


(C) 日活

KAZUYA SHIRAISHI
白石和彌 1974年、北海道生まれ。95年に中村幻児監督主催の映像塾に参加。以後、若松孝二監督に師事し、フリーの助監督として活動。若松孝二監督『明日なき街角』(97)、『完全なる飼育 赤い殺意』(04)、『17歳の風景〜少年は何を見たのか』(05) などの作品へ助監督として参加する一方、行定勲、犬童一心監督などの作品にも参加。初の長編映画監督作品『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10)に続き、長編第2作となるノンフィクションベストセラーを原作とした『凶悪』(13)が、国内の映画賞を席巻した。『日本で一番悪い奴ら』がニューヨークアジア映画祭のオープニングを飾り、又吉直樹原作『火花』のNETFLIX配信ドラマの監督(3話・4話)も務めた。

『牝猫たち』
監督:白石和彌
出演:井端珠里、真上さつき、美知枝、郭智博、白川和子(特別出演)ほか
新宿武蔵野館ほか公開中。
http://www.nikkatsu-romanporno.com/reboot/felines/

ロマンポルノ・リブート・プロジェクト
日活ロマンポルノとは、1971年に映画会社の日活が打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る」「上映時間は80分程度」などの一定のルールと製作条件以外、比較的自由に映画を作ることができたため、若手監督の登竜門的存在だった。1988年までの17年間に約1,100本もの作品を発表し、現在も国内外で高い評価を集めている。2012年に実施された「日活ロマンポルノ」特集上映は、若い世代や女性層など、これまでロマンポルノに触れる機会がなかった新しい客層の開拓に成功。これを契機に、日本映画界の第一線で活躍する映画監督5人が、これまでと同様の製作条件を引き継ぎつつ、現代ならではの新たな表現方法で歴史あるレーベルに新風を吹き込んだ。