ソウル市内の地下鉄駅構内にある美容整形外科の宣伝看板

写真拡大

日本では昨今、美容整形へのイメージが変わっているらしい。先日、ヤフートピックスにも取り上げられていた「整形のネガティブイメージに変化 整形自体がアイデンティティ?」(『オリコン』2017年1月11日)と題された記事によると、女優やタレントたちがテレビ番組や自身のブログで整形したことを平然と告白するようになったという。

韓国でも同じような現象が起きている。かつては整形を告白する芸能人はほとんどいなかったが、近年は「美貌を保つ秘訣はエステと整形」と堂々と公表する女優やタレントが増えているのだ。

(参考記事:大物女優やアイドルも大胆公表!! 整形を告白した韓国芸能界のスターたち

周知の通り、韓国は世界屈指の“整形大国”でもある。国際美容整形学会(ISAPS)が発表した調査結果によると、2015年に最も美容整形手術の施術が多かったのはアメリカで、韓国は3位だったくらいだ。

そんな韓国の美容整形事情について、以前アメリカの日刊紙『ワシントンポスト』が大特集し、「韓国は美容整形共和国、ソウルは美容整形の首都」とまで報じられたこともあった。

また、韓国の整形が語られるとき、かならず俎上に上がるのが、韓国女性たちの美を競う“祭典”として知られるミス・コリア選抜大会だろう。

「ミス・コリアの参加者は全員同じ顔で見分けがつかない。美容整形大国・韓国を象徴している」と指摘されて久しいし、実際、過去のミス・コリア受賞者の中にはタレント転身後に整形を告白した者もいた。

ただ、ミス・コリア=整形美人というイメージを真っ向から否定する者もいる。キム・ジンソルさんがその人だ。

彼女は、「いつからかミス・コリアは整形美人と認識されるようになってしまって残念。私は両親から授かった純粋な姿そのままで韓国の古典美を世界に知らせたい」と語り、ナチュラル美人であることを強調したのである。

キム・ジンソルさんは全国の地区予選を勝ち抜いてきた総勢34人の美女たちと「2016年ミス・コリア選抜大会」に出場し、見事ナンバーワンの称号である“ミス・コリア眞(ジン)”に輝いたのだが、その容姿と「ミス・コリアに対する認識を改めさせたい」という発言は、大きな話題にもなった。

キム・ジンソルがあえてナチュラル美人であることを強調したのは、彼女にも整形疑惑が降りかかったからでもある。彼女だけではなく、ネット上では芸能人や著名人の整形疑惑が話題になり、過去写真などが流失。ネットユーザーたちは自分や恋人の整形事実は棚にあげて、あれこれと言いたい放題を繰り広げるというのが、韓国の現状でもあるのだ。

そして、そうした疑惑に頭を悩ませる人々も多い。

以前、インタビューした韓国人気ナンバーワン“チアドル”のパク・キリャンは両親がテレビ出演して整形疑惑を否定しているし、“奇跡のDカップボディ女神”ユ・スンオクは、豊胸手術を受けた疑いがネットで持ち上がり、テレビ番組でわざわざ診断書とレントゲン写真まで公開して否定せねばならなかった。

このように美容整形が一般化している一方で、有名になれば「整形疑惑」が持ち上がるほど整形に対するネガティブ・イメージもある韓国。女優やタレント、K-POPアイドルたちがあっさりと整形の事実を認めても、韓国の美容整形に対する眼差しには“矛盾”と“齟齬”が存在するわけだ。

それに整形にはリクスも伴う。最近も韓国では整形手術の副作用で体重が27kgも落ちてしまった“ミイラ女”がネット上で話題になり、軽はずみな整形に対する注意勧告や病院の管理体制を指摘する声も出ている。整形大国の韓国だが、トラブルも絶えないのである。

それでも韓国の美容整形熱は冷めることはない。韓国の高校や大学では12月末から2月のはじめまでが冬休みとなり、新学期が3月からスタートするが、冬休み中に目や鼻のプチ整形をする学生たちが増えているという。

いずれにしても平然と整形を告白する者が増えている一方で、見た目が良いと常に整形容疑が持ち上がり、トラブルも絶えない現実が韓国にある。そしてそうした状況は日本も同じだろう。

美容整形に関するイメージや認識は、日本も韓国もさほど違いがない状況になっているのかもしれない。

(文=慎 武宏)